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04 経営という仕事との出会い

藤原清道プロフィール

04経営という仕事との出会い~自らの力で社会を渡り歩く魅力に取りつかれる~

高校卒業も危ういような学業成績を引っ提げ、進路指導の先生方に多大なる迷惑をかけながら、高校三年生当時の私の脳が導き出した自分の進路に対する答えは、「18歳から22歳という多感な時期の4年間は、大学という場所で、決められたメニューをこなすにはあまりにもったいない時間の過ごし方である」というもの。

無論これは、学業に落ちこぼれた私が最大限に自分を正当化するために考えた言い訳に過ぎないのだが、この決断こそが後の私の人生に最大の幸運をもたらすことになった。

高校の同級生がそれぞれの進学先でキャンパスライフを満喫し始めるのと時を同じくして、私は18歳で社会に飛び出した。時はバブル崩壊の直後の1991年(平成3年)。私のキャリアは、このバブル崩壊直後にスタートした。

1980年代後半に高騰した株価や地価が急落したのが1990年から1993年で、そこから始まったと言われる「失われた20年」。失われた20年の最初から自身のキャリアをスタートさせたというと、さぞかし大きな苦労をしたのではないかと思われるかも知れないが、社会人になった当初から、不思議なご縁で成功者と言われる人たちとの数々の出会いがあり、バブル崩壊後の不景気の中でも、儲け続ける会社を経営する先輩方からの薫陶(くんとう)を、直接受け続けるという僥倖(ぎょうこう)に恵まれた。

大学という場では、経営も経済も会計もマーケティングも一切学ぶことはしなかった(できなかった)私だが、高校の同級生たちが学生生活を送っていた18歳から22歳の間の4年間に、私が社会の中から学んだことは、人間としての人格形成の基礎になったことは間違いない。何よりこの4年間は、バブル崩壊直後の4年間。大不況下で世の中が混沌としていた4年間である。

この時期に出会った人たちから学ばせていただいたものが、現在年商5.5億円というスモールビジネスでありながらも、社員の平均年収が1000万円を超えるまでに成長した種になったことを考えると、人間万事塞翁が馬だとつくづく思う。そして当時を振り返って今自分でも驚くことがある。それはこのころ一冊も本を読んでいなかったということ。

ビジネスパーソンとして「本を読む」ということが重要であることは言うまでもないが、当時の私は、バブル崩壊後も成長し、多くの利益を計上し続ける企業経営者のカバン持ちをしながら、本よりも人から学び続けていたのである。そしてそれが結果として、後に立ち上がるベンチャービジネスへの参画へと繋がっていく。

また、日本社会の良い世界と悪い世界も、併せて知るようになったのがちょうどこのころ。悪い世界に、自ら足を踏み入れることはなかったものの、その世界を近くまで行って見たり、またその世界で生きる人たちと会話する機会に恵まれた経験から、人間としての強さを身につけることの意味と、理不尽な要求には絶対に屈しない強靭な精神の磨き方を知った。そして、清濁併せ呑めるような懐の深さが経営者には欠かせないことも知る。

どんな崇高な理想を掲げても、どれだけ質の高い知識を身につけていても、人としての絶対的な強さがなければ理想に近づくことすらできない。経営者が行う正しい仕事、美しい仕事にこそ強さが必要であり、本やセミナーからは学ぶことのできない人間としての強さについて、経営という仕事の本質を、18歳からの社会人経験によって得たのである。

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