藤原清道プロフィール
14マイクレド~自律自走の本質を知る~
当時社内にクレドを導入するプロセスで、まず個人版のクレドである「マイクレド」をつくることにした。
クレドは、理念やビジョンに向かって一人ひとりが考えて動いていく自律型の組織に、とても相性のいいツールだが、その組織を率いるリーダーが適切に自分を律することができていなければ、カタチだけ立派なクレドを作ったとしても、うまくいくわけがない。それは他社の失敗事例を見てきても明らかだった。
学生時代から、他人から何かを言われて自分の行動を決めることに極度の嫌悪感を持っていた私は、多くの行動をして多くの結果を残すためには、自分の意思で自分を律し、自分の内側から出てくる動機をベースに生きていく必要があると考えていた。
仮に、クレドを組織に導入したとしても、それが単なるトップの意思を従業員に押し付けるツールだとしたら、私が理想とする未来はつくれないだろう。
まずは組織を率いるリーダーが、「マイクレド」というツールを使い、ブレのない軸を持ち、またそのツールの有用性を自ら体現していなければならない。
「マイクレド」とは、自分が望む未来を実現するための自分が設定した自分のルール。人から押し付けられるルールには反発したくなる私のような人間でも、自分が自分のために作ったルールで自分を律すると、不思議なくらい心地いい。がんばることが心地よく、むしろがんばらないことに対して、心地の悪さを感じるようになったくらいだ。
ここでの気付きは非常に大きかった。このマイクレドの作成と運用経験が、会社組織へのクレド導入にはずみをつけた。
「ストイックですよね」「なぜ、そんなにがんばれるのですか?」他人からはそのように言われることが増えてきて気づいたことは、自分ではストイックにがんばっているつもりは全くないということ。
自分の理想や自分のありたい姿が、自分が心の底から大切にしていることを前提に、ルールや軸が設定されると、そのルールを自ら守りたくなり、守らないことに心地の悪さを覚えるのである。
「マイクレド」でブレない軸を固めたからこそ、その後のクレドの導入から実践に粘り強く取り組むことができたと言えるだろう。
これにより、無理なく自律自走する個人や組織の本質を掴むことができたのだった。
- 目次
- 00プロフィールトップ
- 01私心なき経営~力なき人間が挫折を経て夢を追う~
- 02少年時代~強い組織を支えている人の存在を意識~
- 03落ちこぼれの高校時代~底辺を味わいながらも成功体験も~
- 04経営という仕事との出会い~自らの力で社会を渡り歩く魅力に取りつかれる~
- 05会社員経験~バブル崩壊直後の大手子会社で学ぶ~
- 06会社創業期~いきなりの挫折 惨めな船出~
- 07戦略なきドブ板営業~そこから繋がるディープな世界も~
- 08地方行脚~祖母の自宅に転がり込む~
- 09ミラノ出張~911の直後に国際線に搭乗する~
- 10上昇気流~大きな爆弾を抱えていることに気づかずに進む~
- 11組織の崩壊~従業員満足度への目覚め~
- 12第二創業期~クレド経営との出会い~
- 13クレド開発から導入、そして実践~粘り強さが作り上げたもの~
- 14マイクレド~自律自走の本質を知る~
- 15日刊メルマガの発行~ダメな自分を躾けていく最高のツール~
- 16従業員満足度研究所の立ち上げ~自らの事業経営の意義を見出す~
- 17コンサルティング事業~一般的なコンサルの常識を破壊する~
- 18従業員満足度実践塾~コンテンツの質を落とさずに、格安で学ぶ場を提供~
- 19子育てと教育~本質は、従業員満足度を高める組織づくりと同じである~
- 20「新 従業員満足度ES2.0」の執筆~日本企業の未来のために使命感を持って取り組む~
- 21クレド開発・浸透支援事業~組織づくりに悩むすべての企業に貢献する~
- 22後進の育成~日本の隅々まで、従業員満足度を高める経営を浸透させるために~
- 23生涯現役~働くことで人生が豊かになり、人間的成長ができると確信~