藤原清道プロフィール
21クレド開発・浸透支援事業~組織づくりに悩むすべての企業に貢献する~
1997年に創業した私の事業では、2005年に起こった組織の崩壊を経て、遅まきながら企業理念に魂が吹き込まれた。その理念と現場の仕事を繋ぐものとして「クレド経営」を導入した。
しかし、すでに述べてきたように、クレド導入から日常の仕事の中に浸透するような運用が確立するまでには、多くの困難があった。
従業員満足度なんて言葉を一瞬たりとも考えずに、利益至上主義で突っ走ってきた人間が、ある日突然、理念だとかクレドだとか理想論を掲げたところで、どんな言葉も従業員の心には響かない。そのような厳しい前提があるところからの、クレド経営のスタートだったが、そこからスタートすることができたおかげで、期せずして骨太なクレド経営の基礎が自社内に醸成されることになった。
もともとは、私が経営する企業の経営力と企業力を強化し、従業員満足度を高めるために始めたクレド経営で、それ以上のことは何も考えていなかった。ところが、何気なく書いたクレドに関するブログ記事を読んでくれた取引先企業の経営者や、一般企業の人事担当者などから、「クレド開発と浸透を手伝ってもらえないだろうか?」という依頼が入り始めるようになった。
ブログ記事を書いたのが、2010年(平成22年)。お問い合わせや開発支援依頼などが入り始めたのが、その翌年の2011年のことだった。しかし、この時はまだ従業員満足度研究所も設立していなかったときのこと。クレド支援を事業化することも考えていなければ、それによってさまざまな企業に価値を提供できるというイメージを持ったこともない。そのような状態で無責任に仕事を受けるわけにもいかないだろう、というのが当時の私の判断だった。
もし、クレド支援を仕事として受けるとしたら、全身全霊で対応せねばならない。そのくらいクレドの開発と浸透は簡単なことではないと、自社にクレド経営を導入した経験からはっきりと分かっていたため、その後も定期的に入り続ける依頼には、丁重にお断するということを繰り返していった。
何も専門家でもない私が立たなくても、世の中にはクレドの開発や導入を支援する企業もあるし、クレド作成を手伝うコンサルタントもいるというではないか。そのように自分に言い聞かせていたのだが、実際は日々の忙しさにかまけて、少なくないお声とご期待に対して真正面から向き合うことを避けていたのだと思うと恥ずかしい。
一方で、その間も自分が経営する企業内では、クレド経営が従業員満足度を高めながら業績にも連動してく柱として確固たるものとして育ち続けていった。
それをどこかで見聞きした人たちから、また問い合わせが入るようになった。
「コンサルタントに頼んでクレドを作ってもらったんです。完成して導入はしたんです。でも、うまくいかなくて。藤原さんの企業と何が違うのか、そのヒントだけでも教えてもらうことはできませんか?」
従業員満足度を高めるための軸としても欠かすことのできない「クレド経営」これだけ多くの人や企業から支援を求められているにも関わらず、いまだに価値提供ができていない自分に腹が立った。
2021年(令和3年)最初のお問い合わせをいただいてから、10年という月日が流れていた。しかしこの10年間の自らの企業経営経験から、10年前には確立できていなかったクレド経営を成功に導くための考え方と法則を普遍化することができていたのである。
クレドは作って導入すれば良いわけではない。クレド経営を導入すれば、それだけでザ・リッツ・カールトンやジョンソン・エンド・ジョンソンのような組織に近づけるのではないかという淡い期待を抱いている企業もあるが、そんな甘いものではない。
しかし、正しい考え方を身につけ、正しいプロセスで作成し、正しく導入して焦らずに時間をかけて浸透させていけば、クレド経営がもたらす波及効果は計り知れない。
組織づくりに悩むすべての企業に、少なくない価値提供ができるに違いない。私自身がトライアンドエラーを繰り返してきた経験を、すべて伝えることができれば、多くの企業の従業員満足度が高まり、そして大きく業績も向上させることができるだろう。
そして、2021年3月。クレド開発・浸透支援事業が発足したのである。
- 目次
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- 00プロフィールトップ
- 01私心なき経営~力なき人間が挫折を経て夢を追う~
- 02少年時代~強い組織を支えている人の存在を意識~
- 03落ちこぼれの高校時代~底辺を味わいながらも成功体験も~
- 04経営という仕事との出会い~自らの力で社会を渡り歩く魅力に取りつかれる~
- 05会社員経験~バブル崩壊直後の大手子会社で学ぶ~
- 06会社創業期~いきなりの挫折 惨めな船出~
- 07戦略なきドブ板営業~そこから繋がるディープな世界も~
- 08地方行脚~祖母の自宅に転がり込む~
- 09ミラノ出張~911の直後に国際線に搭乗する~
- 10上昇気流~大きな爆弾を抱えていることに気づかずに進む~
- 11組織の崩壊~従業員満足度への目覚め~
- 12第二創業期~クレド経営との出会い~
- 13クレド開発から導入、そして実践~粘り強さが作り上げたもの~
- 14マイクレド~自律自走の本質を知る~
- 15日刊メルマガの発行~ダメな自分を躾けていく最高のツール~
- 16従業員満足度研究所の立ち上げ~自らの事業経営の意義を見出す~
- 17コンサルティング事業~一般的なコンサルの常識を破壊する~
- 18従業員満足度実践塾~コンテンツの質を落とさずに、格安で学ぶ場を提供~
- 19子育てと教育~本質は、従業員満足度を高める組織づくりと同じである~
- 20「新 従業員満足度ES2.0」の執筆~日本企業の未来のために使命感を持って取り組む~
- 21クレド開発・浸透支援事業~組織づくりに悩むすべての企業に貢献する~
- 22後進の育成~日本の隅々まで、従業員満足度を高める経営を浸透させるために~
- 23生涯現役~働くことで人生が豊かになり、人間的成長ができると確信~