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転職エージェントの本当の顧客は誰か?AIが壊す“利益相反”モデル

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安田佳生さんとの対談 78【AIが終わらせる求人ビジネスの矛盾】

人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、株式会社ワイキューブ創業者の安田佳生さんと対談しています。

雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。

定着と報酬の関係

日本は少子高齢化という確定した未来に向かって進んでいます。今後も長期的に、人手不足という課題が解消される見込みはほぼありません。
そして「困りごとがあるところにはビジネスがある」という原則通り、人材採用ビジネスや求人ビジネスは近年大きく成長してきました。

巨大化する転職エージェント市場

求人業界には、以下のような大手企業が存在します。

  • doda
  • ビズリーチ
  • リクルート
  • マイナビ
  • レバテック
  • エンワールド

これらはごく一部であり、日本全国には中小規模も含め数えきれないほどの転職エージェント企業があります。
特に中途採用、つまり「転職マーケット」に力を入れる企業が多く、熾烈な競争が繰り広げられています。

ビジネス構造に潜む「利益相反」

表向きは「転職希望者の支援」や「企業の採用支援」を掲げていますが、実態は違います。
市場が飽和状態になると、各社は売上を維持・拡大するために顧客構造が歪んでいくのです。

結果として、上顧客になりやすいのは以下の2タイプになります。

  1. 転職を繰り返すビジネスパーソン
  2. 採用基準がゆるく、定着率が低い企業

一方で、「理念やビジョンに共感し長く働く人材」を求める企業や、「価値観の合う会社で長く働きたい」求職者は、転職エージェントのリピーターにはなりません。
むしろ、そうした“まともな”企業や人材ほど、エージェントを介さず採用・転職を成立させてしまうため、業界にとっては利益を生まない存在となります。

求職者と企業にとっての現実

この構造は次の現実を意味します。

  • 求職者側:「エージェント経由では、まともな企業に出会える確率が低い」
  • 企業側:「エージェント経由では、まともな人材に出会える確率が低い」

(※もちろん例外は存在します)

求人ビジネスは、顧客や取引先と利益相反の関係にあるケースが多く、この矛盾は長期的に維持できないと考えられます。

AIが変える採用の未来

AIには「儲ける必要」がありません。
そのため、既存の“利益相反型”のビジネス構造を温存する理由がなくなります。
今後10年以内に、AIは採用ビジネスの構造を根本から変えていくでしょう。

事実、業界最大手ビズリーチを運営するビジョナル株式会社の創業者は、「10年後にはHR事業から完全にセキュリティ分野へ舵を切る」と宣言しています。
これは、将来的にAIがこの業界の矛盾を解消してしまうことを見越した動きかもしれません。

求人業界の構造的矛盾は、プレイヤー自身も気づいていますが、「儲かっている限りはやめられない」という現実があります。
しかし、AIの台頭によって、その構造は必ず変わっていくはずです。

採用に関わる企業も求職者も、近い将来の変化を見据えた戦略を考え始める時期に来ています。

以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!

AIが終わらせる求人ビジネスの矛盾
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第78回

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当社の「従業員」の定義

当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。

一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。

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定着と報酬の関係

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