小松のガストロノミーレストラン「SHÓKUDŌ YArn」での体験記

小松のガストロノミーレストラン「SHÓKUDŌ YArn」での体験記
SHÓKUDŌ YArnさんの外観

今まではあまり小松には仕事のご縁がなかった私ですが、私が尊敬する先輩経営者から、「どんなに忙しくても時間をつくって訪問すべきところが小松にある。経営者としての創造性を高めたいなら、そこでの体験と出会いは生涯忘れることのできないかけがえのないものになるだろう。そして、その経験は君のビジネスの顧客にすぐにフィードバックできるはずだ」と強く勧められたこともあり、今回小松入りしました。

今回のメインの訪問先は「SHÓKUDŌ YArn(ショクドウ ヤーン)」
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SHÓKUDŌ(食堂)という名前ですので、大きなジャンル分けではもちろん飲食店。しかし言うまでもなく、ここはただの飲食店ではなく、いわゆるガストロノミーレストランと称される、レストランの中でも特に優れた食材や技術、そしてシェフのクリエイティビティを駆使して文化や芸術を追求するようなレストランのことです。

このSHÓKUDŌ YArnは、他のどのレストランとも比べることができないような革新的なことをしていることもあり、ガストロノミーレストランというカテゴライズも適さないかもしれません。イノベーティブレストランというか、エンタテインメントレストランというか、アーティステックレストランというか、その全てといってもいいでしょう。

オーナーシェフである米田裕二さんと奥様の亜佐美さんが切り盛りするこのSHÓKUDŌは、名前の響きこそ食堂ですが、もちろん私たちがショクドウという響きから想像する街の食堂とは一線を画します。ご夫妻お二人とも世界的有名店のご出身で、食通の間では超有名人であるらしく、その実力はもちろん折り紙付き。

ちなみに、このSHÓKUDŌ YArnの最初の「O」にアクセントマークがついていることにお気づきになった方はどのくらいいらしゃるでしょうか?

これは、世界の有名店で料理を学んでこられた米田さんご夫妻が、日本の伝統的な「道」を表現する、武士道や書道、空手道などにも使われる「〇〇道」という考え方に通じるマインドを踏襲し、食の道(みち)を極めていくという意味での食道(ショクドウ)を大切にし、もちろん食を提供する場所の食堂という意味もあるのですが、食道(ショクドウ)という意味をメインに伝えるために、最初の「O」にアクセントマークをつけたとのこと。
(※言うまでもなく、内臓の食道のことではありません)

そしてYArn(ヤーン)は、「編み糸」「撚り糸(撚り合わせた糸)」のこと。このレストランの場所には、米田亜佐美さんのお祖父様とお父様がお仕事をしていらっしゃった撚糸(ねんし)工場が古くからあり、その工場が役目を終えたあとはお父様の撚糸事業で倉庫としてお使いになっていたいた建物があり、その建物をリノベーションして作ったのが、このSHÓKUDŌ YArnであると、亜佐美さんからお聞きしました。

YArnの「Y」と「A」が大文字なのは、裕二さんと亜佐美さんのそれぞれの頭文字から。

米田亜佐美さんのルーツである撚糸工場の建屋をリノベし、そしてその撚り糸という意味のレストラン名で、さまざまな食材とエッセンスを撚り合わせた料理を提供して、多くの人を感動させる予約の取りにくいガストロノミー&アーティステックレストラン。

わざわざここに来るためだけにスケジュールを調整して小松に来る価値があると、多くの人から言わしめるその理由を、一度来れば誰もが理解できることでしょう。

今日は私と弊社スタッフ二人での訪問でしたが、偶然なのか、それとも意図的にそうしてくださったのかは不明ですが、ディナータイムに私たち以外のお客様の予約を一切取っていらっしゃらなかった様子で、私たち二人だけのために米田ご夫妻の全ての時間と全精力を使って想像を絶するパフォーマンスを見せてくださいました。そしてそのおかげもあり、多くのお話を直接近い距離でお聞きする時間をいただくこともできました。

本物のプロフェッショナル、本物のアーティスト、本物のエンターテイナーとはこういう人のことをいうのだということを、私の魂に刻みつけれらるような時間でした。

また、超有名で実力派のシェフでありながらも、米田ご夫妻ともに尊大に振る舞うようなところが一切なく、本当に謙虚で人間的魅力にも溢れ、こちらが終始恐縮してしまうほどでした。

確かに今日のこの体験は、生涯忘れることができないかけがえのないものとなりました。そして今日の体験は、今後の私の仕事はもちろん、人生にも影響を与えるものとなりました。

この体験と、米田ご夫妻とのご縁から得られたものを、しっかりと咀嚼し、私自身の脳と魂にインストールし、私自身のOSをアップデートしようと思います。影響は、日々の活動レベルではなくOSに影響が出るレベルであったということです。

おかげさまで明日からの仕事が、より一層楽しみになりました。

※令和5年(2023)3月31日 第5362号 メルマガ配信分