元ワイキューブの社長で境目研究家 安田佳生さんとの対談企画
人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、安田佳生さんと対談していきます。
雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。
第53回目は【格差是正の先に待つ、総貧困時代】という内容です
格差の定義と自由社会における本質
そもそも、「格差」とは、なんでしょうね。
格差という言葉を聞いたことがないという人はいらっしゃらないと思いますが、私たちはなんとなく、格差というものを、頭ごなしに良くないものと決めつけていて、「そもそも格差とはなにか」「格差が良くないとしたら、なぜ良くないのか」ということを、もっと考えるべきだろうと思っています。
格差とはなにか?の前に、格差の「格」ってなんでしょうね。
格とは地位や身分のことを表すものとして、古くから使われていた言葉だと思いますが、中世のヨーロッパやインドのカーストなど身分制度が固定化していて、生まれてから死ぬまで地位や身分が変わらないような時代や国であれば、そういう格(地位や身分)の差はよくないと思いますし、それらは是正されるべきものであるとも思います。
しかし、現代の日本では、「格」の差や「格」の違いという言葉を使うとき、その言葉の本来の意味がズレて認識されてしまっているような気がしてなりません。
本質的な意味での自由な社会において、自由であるがゆえに努力をして結果を出した人と、努力をすることを自分の意志で拒否して結果を出さなかった人が、享受するものに違いが出るのは当然のことです。
その享受するものの違いを「格差」と呼ぶような人が、現代の日本にはたくさんいるわけですが、これは明らかに格差という言葉の認識と使い方を間違えています。
その間違った認識をしている人が、「格差是正」を声高に主張し、それを錦の御旗のように掲げ、格差の上の層にいる人たちを引きずり下ろすような政策を求める傾向があります。
「金持ち優遇をなくし、金持ちからもっと税金を取って、貧困層に給付をせよ」みたいな主張です。
何度もくどいようですが、自由な社会において、自由であるがゆえに努力をして結果を出した人と、努力をすることを自分の意志で拒否して結果を出さなかった人が、享受するものに違いが出るのは当然のことです。そうやって多くのものを享受した人に対して、「すばらしい」と称えることはあっても、「不公平だからその人からたくさんのものを徴収せよ」というようなことがあれば、それはもう、自由な社会のあるべき姿ではありません。
格差是正論の問題点と自由社会への影響
例えば、自由な社会において、自由であるがゆえに努力をして結果を出した大谷翔平という野球選手がいます。
彼が多くのものを享受するのは当然ですよね?
頑張って成果を出した人が、成果を出せなかった人と生活レベルに差が出ることに対して、「格差が良くない」「格差を是正すべき」と言って、大谷翔平に対して、貧しい生活をしている下のレベルの野球選手の生活を支えろなんて、言います?
そんなことを言っていいと思います?
大谷翔平が自発的に、下のレベルの野球選手の生活を支えるような行動をするのであれば、それは大谷の自由意思でしょうから問題ありませんが、そういうこと(格差是正?)を周りが強要するのは、明らかに間違えています。
現在の日本で、格差是正を声高に叫ぶ連中の大半は、そういうレベルのことを言っているに過ぎません。
しかしそんな主張を、本当に政策に落とし込んでしまったら、日本はどんどんダメになってしまうでしょう。自由な社会のあるべき姿からどんどん遠ざかってしまいます。
ちなみに私(藤原)は、高校時代に、学業に対して努力することを自分の意志で拒否して、その結果として大学受験をせず、卒業後はそれ相応のものを受け取りました。私の同級生たちは、自由であるがゆえに努力をして一流と言われる大学に進学した人もたくさんいます。
私の世代は、就職氷河期に突入した世代ですから、当然、学業を頑張って結果を出した人と、頑張ることをしなかった人との差は、歴然とついたわけですね。
しかしそれを「格差」だと思ったことは、私は一度もありません。仮にそれが格差だとしても、それを是正すべきなんて全く思いません。
自由であるがゆえに努力をして結果を出した人と、努力をすることを自分の意志で拒否して結果を出さなかった人が、享受するものに違いが出るのは当然のことですからね。
ところが現在の日本では、なぜか自由な社会の中で、それぞれの人間がそれぞれに頑張って得たものに対して、間違った格差という言葉を当てはめ、その格差を是正することが正義だと信じ込んでしまっている人が一定数いるのです。
頑張る人がもっともっと頑張って上のレベルを目指そうとしても、その足を引っ張るようなルールを作ろうとします。そうすることが格差是正に繫がって、より良い社会になると信じて。
まるで、大谷翔平と、マイナーリーグの選手の差がつきすぎて不健全だからと主張して、一定以上の成果を出した選手の手足に、重りを付けて動きを制限するルールを新作したり、練習時間を制限して突き抜けた成果を出しにくいようにしたり。
大谷翔平を例に出すと、それがいかに愚かであるかが誰にでもわかるかと思いますが、日本のビジネス界では、そのようなことを平然と行おうとする政治家や為政者がいて、それを支持する層の国民がいるから驚きます。
格差是正の先に待つ、総貧困時代。
それを阻止することができるのは、私たち一人ひとりの意識と行動です。
以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!
【格差是正の先に待つ、総貧困時代】
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第53回目
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