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「管理職昇進は罰ゲーム」と感じる組織に共通する、ある欠落

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管理職の昇進は罰ゲーム?対症療法では解決しない本当の理由

管理職・マネジメント職への昇進を「罰ゲーム」だと感じる人が増えている——。

こうした声が広がる背景には、確かにいくつもの要因があります。しかし、多くの企業がその要因を個別に分析し、対策を打とうとするアプローチには、大きな落とし穴があります。

この記事では、29年以上にわたり組織運営と従業員満足度(ES)の研究・実践に携わってきた立場から、「昇進が罰ゲーム化する組織」と「昇進が嬉しいと感じられる組織」を分ける本質的な違いについてお伝えします。

なぜ「管理職への昇進=罰ゲーム」と感じる人が増えているのか

管理職昇進を罰ゲームと捉える人が増えている要因は、主に以下のようなものです。

責任は増えるのに、報酬が見合わない。 昇進すれば当然、責任の範囲は広がります。しかし、給与や待遇といった外的報酬は微増にとどまるケースが多く、「割に合わない」と感じてしまう。加えて、日本の多くの企業では、プレイヤーとして優秀な実績を出した人がそのまま昇進します。プレイヤーとしてのスキルはあっても、マネジメントスキルは別物です。経験のない分野で責任だけが増えるわけですから、本人が苦しむのは当然でしょう。

報われていない先輩管理職の姿を見ている。 管理職として頑張っているのに、適正な評価を受けられず疲弊している先輩マネジャーの姿を目の当たりにすれば、「自分はああなりたくない」と思ってしまうのも無理はありません。

働き方改革による板挟み。 上からは数字での成果と残業削減を求められ、下からは働きやすさや多様性の許容を求められる。この板挟みが、管理職にとって大きな精神的プレッシャーになっています。

キャリアの選択肢が広がった。 年功序列・終身雇用が前提でなくなった現代では、独立やフリーランスという選択肢もあります。「今の会社で昇進することが本当にベストなキャリア設計なのか?」という問いを、多くの人が持つようになりました。

どれも「確かにそうだな」と感じる要因ではないでしょうか。

対症療法的な施策が、組織をさらに息苦しくする

こうした要因が明らかになると、多くの組織改善サービス会社は、それぞれの要因を取り除くための個別施策を提案してきます。

1on1ミーティングの導入、360度評価、キャリア面談、メンター制度、社内表彰制度、エンゲージメントサーベイ——。こうした人事施策そのものが悪いわけではありません。しかし、本質を見ずに次々と施策を導入してルールを増やしていくと、組織はどんどん息苦しくなるだけです。

なぜなら、これらは「対症療法」だからです。

わかりやすい例を挙げましょう。パワハラ・セクハラ対策として、「気をつけなければいけないこと」「言ってはいけないこと」のネガティブリストを作り、それをルール化して徹底する——。こうした取り組みをしている組織は少なくありません。

しかし、パワハラ・セクハラ対策の本質は、ネガティブリストの徹底ではありません。

信頼関係のない相手から厳しく指導されれば、パワハラと認定されます。 しかし、信頼関係のある相手から厳しく指導されれば、「ありがとうございます。これからも指導していただけると嬉しいです」という言葉が、心から出てくるのです。

同じ行為でも、関係性によってまったく異なる意味を持つ。この事実が示しているのは、個別の行為を規制するよりも、組織の関係性そのものを変えることが本質的な解決だということです。

昇進が「罰ゲーム」か「嬉しいこと」かは、ESの状態で決まる

話を「管理職昇進が罰ゲームに感じる」というテーマに戻しましょう。

「責任は増えるのに報酬は微増」 「報われない先輩管理職の姿を見ている」 「働き方改革で板挟みになっている」

これらの要因は確かに存在します。しかし、こうした分析をしてそれぞれの要因を個別に取り除く施策を導入するのは、まさに対症療法です。

ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)の高い組織を作れば、これらの問題は個別に対策・対処する必要がなくなります。パワハラ・セクハラの問題もまた同様です。

つまり、昇進が罰ゲームに感じるのか、それとも嬉しいことと感じるのか。それは、その組織のESの状態次第なのです。

ESの高い組織は「性悪説」で運営し、ESの低い組織は「性善説」で運営している

ここで、多くの方が驚かれるかもしれない話をします。

ESの高い組織は「性悪説」で運営されていて、ESの低い組織は「性善説」で運営されている。

逆ではないか?と思われた方もいるかもしれません。間違いではありません。ESの高い組織が性悪説、ESの低い組織が性善説です。

ESの高い組織では、管理職・マネジャーに対して「ありがとう」「助かる」という言葉が自然に交わされる文化があります。 一方、ESの低い組織では、「やって当たり前」「成果が出ていないと叱責される」という空気感が蔓延しています。

この違いが生まれる根本には、「性善説」と「性悪説」の正しい理解と運用があります。

多くの方は、性善説=人を信じること、性悪説=人を疑うこと、と理解しているかもしれません。しかし、本来の意味はそうではありません。この正しい理解なくして、ESの高い組織を作ることはできません。

「昇進が嬉しい組織」を作るために

管理職への昇進が罰ゲームに感じられるのか、嬉しいことと感じられるのか。

今後、組織はこの二つの方向に二極化していくでしょう。対症療法的な施策を積み重ねてますます息苦しくなる組織と、ESの本質を理解して根本から変わっていく組織と。

もしあなたの組織で、昇進を望まない社員が増えているとしたら。それは個々の社員の問題ではなく、組織のESの問題です。

そして、ESを高めるための第一歩は、施策やツールの導入ではなく、「性善説と性悪説の正しい理解」から始まります。


従業員満足度研究所では、29年以上の事業会社経営の実践経験をもとに、ESを経営目的のひとつとして取り組む組織づくりを支援しています。

性善説と性悪説について解説した動画はこちらからご覧いただけます。

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