元ワイキューブの社長で境目研究家 安田佳生さんとの対談企画
人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、安田佳生さんと対談していきます。
雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。
第33回目は【会社の中から始めるベーシックインカム】という内容です
「ベーシックインカム」という言葉を、一度も聞いたことがないという方は今はほとんどいらっしゃらないかと思いますが、まだ日本にはベーシックインカムが仕組みとして導入されているわけではないため、その仕組みを正しく理解している人は多くないかもしれませんね。
ベーシックインカムとは、国が全国民に対して、人間らしく生きていくために必要な一定額のお金を支給する制度のことで、この仕組みが導入されると、国民全員が生きていくために仕事をする必要がなくなります。
「人間らしく生きていくために必要な一定額のお金」とは一体いくらなのかということについては、さまざまな意見はあろうかと思いますが、ここではこの部分には言及しません。本論からそれてしまいますので。
生活保護の仕組みと大きく異なるのは、ベーシックインカムには支給条件がないということ。
出生届を出さずにアンダーグラウンド(裏社会)で生きている場合は、ベーシックインカムが導入されてもそれを受け取ることはできませんが、そういう例外を除けば、所得金額や生まれ育った環境や、立派な人かどうか、犯罪者かどうかなどに関係なく、全員が同じ金額のお金を受け取ることができ、そのお金だけで生活をすることが出来るようになるのが、この「ベーシックインカム」です。
この仕組みについては賛否両論あり、そもそもまともに導入された事例がないことから、これがうまくいくかどうかは誰にも分かりません。
私は、全国民に無条件に支給するような本来のベーシックインカムでは、上手くいかないだろうと考えています。
例えば、毎月一人あたり非課税のお金が30万円支給されたとしましょう。
人間という生き物の性質を理解した時に想像がつくのは、多くの人が「仕事をしない」という選択をするようになり、社会全体で商品やサービスの供給状況が極端に悪化するだろうということ。
そのため、ベーシックインカムといっても、支給金額を30万円とかではなく、7万円程度にする(つまり、ベーシックインカムだけでは生活ができないようにする)ことで、一人ひとりの仕事に対する意欲を保つような仕組みにするのが現実的であると主張する方が多いわけですが、しかし「それではそもそもベーシックインカムじゃないんじゃない?」という疑問が出てきます。
そもそも、私たちが生きる資本主義社会の中では、お金がそれなりに強い存在として君臨していて、お金がないと生きていくことができないという現実があります。
だからこそ、生きていくために必要なお金を支給する「ベーシックインカム」という発想が生まれてきたわけです。
どれだけ多くのお金があっても、お金と引き替えに商品やサービスを提供してくれるような人や企業があるからこそ、お金という紙切れ(現代はデジタルデータ)に価値が出てくるわけです。
多くの人が仕事に対する意欲をなくしたら、お金の価値は実質的に暴落してしまうということが、容易に想像ができます。
残念なことではありますが、世の中は「生活のために(お金をもらうために)、嫌なことでも仕方なく頑張ってやる」という人がたくさんいることで成り立っているという側面があります。
いくつかの国家では、いくつかの条件をつけてテスト的にベーシックインカムを導入したことがありますが、結果として全面的・本格的に導入されるに至っていないということから考えると、人間が生きている社会と本格的ベーシックインカムとは相性が悪いのかもしれません。
そこで、安田さんが考えたのが、変則的ベーシックインカム。
この変則的ベーシックインカムはなかなかおもしろくて、人間という生き物の本質を考えた時に、私は成り立つ可能性はあるんじゃないかと思ったわけです。
ただ、現在の政治と法律の枠組みの中では、これを導入するハードルはとんでもなく高いだろうと私は思っていて、1947年に施行された日本国憲法がまだ一度も改正されたことがないという現実に向き合った場合、残念ながらこの変則的ベーシックインカムが現実的になる可能性は、とても低いと言わざるを得ません。
そこで、私企業という単位で、この変則的ベーシックインカムを実現する。
これは、経営者が本気でそれを実現しようと決めれば、実現は可能だと私は思っていまして、私が経営する会社では、その要素を一部取り入れることにトライしています。
これを本気でやっていけば(全従業員がその意図を理解して、自分の力を最大限発揮すれば)、企業としての生産性は高まり、私企業単位ではベーシックインカムの金額を、どんどん高めていくことも不可能ではないと私は考えています。
組織のあり方は、まだまだ進化させられますね。
以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!
【会社の中から始めるベーシックインカム】
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第33回目
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つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
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一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で、
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。
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