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変化を「異常」と思わない組織が、強い。──ESと受容力の本質的な関係

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安田佳生さんとの対談 85【老化もリストラも、視点を変えれば正常になる】

人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、株式会社ワイキューブ創業者の安田佳生さんと対談しています。

雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。

定着と報酬の関係

境目が揺らぐ時代に

これは正常。
あれは異常。

私たちは日々、そんな言葉を無意識のうちに使っています。けれど、その境界は本当に明確でしょうか?

たとえば、今年の夏。数年前までは、35度を超える日が続くと「異常気象だ」と感じていた人が多かったはずです。けれど、今や35度を超え、40度近い気温も当たり前に感じるようになってきています。

つまり、「正常」と「異常」の境界は、環境や時代背景によって、簡単に揺らいでしまうものなのです。

地球の視点で考えると

地球の歴史は46億年。
私たち人類が生きられる環境というのは、実はごく限られた「たまたまの時期」に過ぎません。

地球全体が氷に閉ざされた時代も、海が蒸発するほどの灼熱期もありました。人間は、そうした環境では生きていけませんが、地球にとってはそれらもまた「正常な営み」だったのです。

むしろ「今」がイレギュラーなのかもしれない。そう考えてみると、「環境維持」や「SDGs」といった人間中心の思想が、どこか地球にとっては迷惑なものにすら感じられるかもしれません。

老化は「異常」ではなく「正常」

話を少し転じます。
人間には誰にでも訪れる「死」。そして、その前提としての「老化」。

これらは誰がどう見ても“正常”な現象です。にもかかわらず、私たちはそれを“異常”と捉えがちです。

白髪が増える、シワが深くなる、視力が衰える、物忘れが増える──それはむしろ「人間として正常である証」なのに、私たちは「若さを保ちたい」「元通りになりたい」と願い、アンチエイジングや医療にすがろうとします。

けれど、そこにあるのは“異常”ではなく、ただの“自然”なのです。

異常に変えるのは「社会の基準」

正常な現象が「異常」とされる背景には、社会のつくった「基準」の存在があります。

その基準が自分の外側にある──社会、メディア、他人の目に委ねられていると、私たちは常に誰かの物差しで自分を測ることになります。

その物差しは揺らぎやすく、昨日まで許容されていたことが、今日には否定されてしまう。昨日までの自分が、今日は「変わるべき自分」とされてしまう。

こうして「正常な変化」にすら不安を感じるようになるのです。

正常な変化を否定するマーケット

老化も、薄毛も、しわも、すべては「正常」。

けれど、そうした現象を「異常」と刷り込むマーケットが存在します。

たとえば、育毛ビジネス。
現在、育毛剤市場は600億円規模。そして2030年には1000億円を超えるとも言われています。

なぜ、ここまで伸びるのか。
それは、正常なことを異常と捉え、それを改善したいという欲求に人間が抗えないからです。

基準を、内側に取り戻す

だからこそ、私はこう問いかけたいのです。
「あなたは、どこに基準を置いていますか?」

自分の内側に基準を置くことができれば、変化を受け止められるようになります。
老化も、環境の変化も、「ただの事実」として穏やかに受け入れられる。

変化は悪ではない。変化は正常であり、時には喜ぶべきものなのだと。

この受容力は、組織文化にもつながっていく

そして、この「受容力」は、実は組織文化やES(従業員満足度)にも深く関係しています。

年齢や価値観、働き方の違い──それらを「異常」とせず、ありのままに受け容れる文化があれば、人は安心して挑戦や失敗ができる。

安心が、創造性や協力を生み、組織の力を底上げしていく。
だからこそ、組織にも「内側の基準」が必要なのです。

以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!

老化もリストラも、視点を変えれば正常になる
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第85回

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つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。

一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。

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定着と報酬の関係

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