絶対の正しさとは?― 歴史的視点からの考察
世の中には絶対的に正しいことはありません。
正しいとされていることがあるだけです。
影響力のある人や、場を支配している空気によって、「これは絶対的に正しい」と疑う余地がまるでないと思うようなことはあるかもしれませんが、それらを含めてすべて「絶対的に正しい」ということはありません。
歴史上の数々の争い、特に宗教戦争について多少でも学ぶことで、何を正しいと信じるかは価値観の問題であると分かります。
絶対的に正しいことがあるのなら、人間は何千年にも渡って殺し合いや奪い合いをするはずがありません。
価値観の多様性と対立― 組織内での課題
人間は、自分の信じていることだけが正しいと思っているといつか大怪我します。
だからといって、何も信じなければ良いかというとそういうわけでもありません。
自分という主観的な個人は、自分が信じる価値観によって何が正しいかを定義しておくべきでしょう。
しかし、自分が信じる正しさを、前面に押し出せば押し出すほど、違う価値観からの正しさを主張する人や団体と、必ずぶつかることになります。
自分が信じる正しさをしっかりと持ちながらも、いつも強く主張し続けることはせずに(ときには強く主張する必要もあるが)、違う価値観を持った違う正しさを信じている人もたくさん存在していることを理解すること。
自分が正しいと信じていることも、それは絶対的なものではないと理解すること。
多くの場合、価値観の衝突や対立は、組織メンバーひとりひとりのウェルビーイングに影響を与えます。
経営者の視点からのウェルビーイング― リーダーシップと価値観の調和
自社の価値観をオープンにして従業員満足度の高い組織をつくり、正しい採用活動を行っていれば、会社内での事業レベルでの価値観は一致する人間だけの集団にはなりますが、事業活動以外のプライベートでの生き方や価値観は一致しないというケースもめずらしくはありません。
経営者として、自分が信じる生き方や考え方を、従業員一人ひとりに対して相手のペースに合わせて伝えていくことは悪いことではありませんが、それを正しいか正しくないかを判断するのは相手であり、その相手の価値観をこちらの都合で曲げることはできません。
ウェルビーイングの視点からは、正しさの探求が個々の心身の健康に影響を及ぼすだけでなく、組織全体の健全性や創造性にも関わってくることを、経営者やリーダーは理解する必要があります。
哲学的探求と現代社会― 絶対の正しさへの疑問
哲学者プラトンは、絶対的な正しさ、本当の正しさがあるはずだと、追求していたようですが、そこから2500年近く経過した現代でも、人類はまだ価値観の違う人同士が自分の正しさを主張して争っています。
絶対的な正しさが本当にあるのなら、裁判も難しくはありませんし、そもそも裁判なんてものは不要になるかもしれません。
夫婦喧嘩だって無くなってしまうでしょう。親族同士の醜い争いも無くなるはずです。
正しさ、善悪、は難しいのです。
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当社の「従業員」の定義
当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています。
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
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一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
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