
安田佳生さんとの対談 73【人間の愚かさに眠るビジネスチャンス】
人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、株式会社ワイキューブ創業者の安田佳生さんと対談しています。
雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。

人間の愚かさに眠るビジネスチャンス──それでも、私は人間が可愛いと思う
今回のテーマは、ちょっと刺激的かもしれません。
その名も──【人間の愚かさに眠るビジネスチャンス】
人間という生き物を深く知れば知るほど、私は「本当に愚かで、だけど可愛い存在だなあ」と感じます。
皆さんは、自分自身も含めて“人間”という種を、どんなふうに捉えているでしょうか?
「頭がいい」とは、誰の基準?
「人間は他の動物よりも頭がいい」──よく聞く言葉ですが、それは“人間が勝手に作った基準”の上での話です。
しかもその「頭の良さ」の基準も、さらにまた偏っています。
たとえば現在、一般的に多くの人が想像する「頭がいい人」とは、
- 学校の勉強ができて、
- 成績がよくて、
- 高学歴で、
- 論理的思考力があり、
- 議論に強い。
…といったイメージでしょう。
でも、こうしたイメージが必ずしも“現実の豊かさや幸せ”と一致するかといえば、答えはNOです。
高学歴で論理的であっても、人生を楽しめていない人は山ほどいます。
頭の良さは、人生の豊かさを保証しない
私の身近にも、いろんな“矛盾”を抱えた人がいます。
・勉強ができても成績が悪い人
・成績はいいけど、実は勉強が苦手な人
・高学歴なのに、要領だけでくぐり抜けた人
・学歴がなくても、めちゃくちゃ勉強熱心な人
ちなみに私の長男も慶應義塾大学を卒業しましたが、偏差値が低めの大学には不合格で、英語と論文だけの受験科目だったSFCにだけ合格したという、ある意味で「高学歴だけど、勉強が得意とは言えない」タイプです。
こうして見ていくと、「頭の良さ」って本当に何なのか?と疑いたくなりますよね。
愚かさは、人間の本質
だからこそ、私は思うのです。
人間は、愚かだからこそ愛おしい。
「学歴が高いから」「論理的だから」といって、すべてがうまくいくわけではない。
むしろ、そうした“頭の良さ”を持った人の中にこそ、手段を目的化し、自分の愚かさに気づけない人が多いと感じるのです。
社会人1年目の“ピンクな”思い出
私が社会人になったばかりの頃、旅行会社で添乗員見習いをしていた時のこと。
最初に担当したのは、某メガバンクの支店の社員旅行でした。
先輩社員にこう言われたのを、今でも鮮明に覚えています。
「銀行員みたいに“頭のいい”やつらほど、夜の宴会では羽目を外すぞ。覚悟しとけ(笑)」
当時の宴会には、コンパニオンがつくのが当たり前。
しかも「ピンクコンパニオン」と呼ばれる、今では信じられないようなサービスまであったのです。
当時19歳だった私は、そのパンフレットを見て衝撃を受けました。
銀行の支店長たちが真顔で、どのピンクコンパニオンにするかを検討していたのですから。
「頭がいい」とされる人たちが、実は夜になると一番はっちゃけていた──。
これこそ、人間の愚かさであり、可愛らしさでもあるのかもしれません。
愚かさのなかに、ビジネスの芽がある
今の時代に、そんな宴会をすれば一発で炎上・処分です。
ですが、このエピソードが教えてくれるのは、「人間は完璧じゃないからこそ、商売の本質が見えてくる」ということ。
人は──
・ズルしたい
・楽をしたい
・目立ちたい
・バカ騒ぎしたい
そういう「愚かな欲望」を抱えるからこそ、そこにビジネスチャンスが生まれます。
“正しい人間像”だけを前提に設計されたビジネスは、往々にしてうまくいきません。
愚かさを前提にしたとき、本当に人間らしい価値提供が可能になるのです。
以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!
【人間の愚かさに眠るビジネスチャンス】
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第73回
※ちなみに今回の対談には、ピンクネタは登場しません(笑)その点はあしからず!
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当社の「従業員」の定義
当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています。
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。
一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で、
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。

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