 
                        安田佳生さんとの対談 84【60万円の修学旅行費用を、自分で稼ぐという教育】
人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、株式会社ワイキューブ創業者の安田佳生さんと対談しています。
雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。

子どものうちに教えるべき「お金」と資本主義の本質
資本主義社会からは逃れられない
私たちは、望むか望まないかはさておき、資本主義社会の中に生きています。そして、社会主義国に亡命でもしない限り、このルールから逃れることはできません。資本主義という経済の仕組みを採用している国家の中で、快適に、そして幸せを感じながら生きていこうと思うなら、「お金」の本質を理解し、エレガントかつ自由に扱える力を、無理なく身につけておかねばならない。これは本来、すべての国民にとっての必須科目であり、義務教育の中でも最重点教科として位置づけておくべきだと、私はずっと前から思っています。皆さんはどう思われますか?
サラリーマン家庭で育った私のお金観
私は、いわゆる普通のサラリーマン家庭で育ちました。家庭で「資本主義社会のルール」や「お金の稼ぎ方」「お金の使い方」といった本質的なことを学ぶ機会は一切なく、両親も積極的に教えることはありませんでした。ただ、戦後に裸一貫から事業を立ち上げた起業家である祖父が身近にいたおかげで、身内にサラリーマンしかいない家庭よりは、資本主義社会の目に見えないルールや本質を感じ取る機会には恵まれていたかもしれません。とはいえ、祖父は背中を見せる人であり、言葉で教える人ではありませんでした。
節約を美徳とする家庭の価値観
祖父の娘である母は、企業家の娘として「徹底した節約」「1円を大切にする」という価値観を持ち、私がものごころつく頃には「支出を控えることが美徳」という思想が家庭内に根付いていました。そのため私は長い間、お金を使うことは良くないことだと思い込んでいたのです。しかし経営とは、お金を使ってお金を稼ぐ営みであり、大胆に使えない人間は大きな利益を生む事業をつくれません。そう理解できたのは、自分が経営者になってから。お恥ずかしながら。今思えば、祖父は多くのお金を投じてビジネスを大きくしていた企業家でした。その姿を子どもの頃に見ていたにもかかわらず、その意味を理解できたのはずっと後のことです。
お金の本質を子どもに伝える
一方、祖母は贅沢とは無縁の質素な生活を送っていました。祖父の時代は「男は仕事、女は家庭」が当たり前で、女性は男が稼いだお金を節約してやりくりするもの。母もその価値観を当然のように受け継ぎ、父と共に「遊ばず贅沢せず、お金は使わず貯める」という方針で私を育てました。結果として私は「お金は節約して増やすもの」だと疑いなく信じていたのです。
しかし、社会に出てから私は多くの経営者と出会い、日々の仕事の中で資本主義社会のルールやお金を稼ぐ本質を学びました。そしてそれを自分なりに再編集し、3人の子どもたちには小さな頃から繰り返し伝えてきました。
- 人の役に立ち、社会に貢献している人ほど金持ちになれるのが資本主義のルール
- お金持ちは敬うべき存在であり、それは社会貢献度が高い証拠
- 金儲けに貪欲であることは美しい。それは人の役に立つことに真摯である証
- お金は節約しても増えない。多く使うから多く稼げる
そしてできる限り、金儲けの現場を見せてきました。
義務教育では学べないからこそ家庭で
本来、こうした教育は義務教育で行われるべきですが、日本の教育システムでは50年後も100年後も採用されることはないでしょう。だからこそ家庭で教えるしかありません。子どものうちに資本主義のルールやお金を稼ぐ本質を学べるかどうかは、将来、快適に生きられるか、それとも息苦しさを感じながら生きるかを分ける可能性すらあります。
アメリカで育つ甥と姪の実践
私の甥と姪はアメリカ生まれ・アメリカ育ちで、現在中学生ですが、すでに自分の力でお金を稼ぐ経験をしています。「修学旅行に行きたいなら、その代金を自分で稼ぎなさい」と親から言われ、学校の勉強と並行して金儲けに向き合っているのです。もし日本で同じことをしたら、学校関係者や周囲から批判されるかもしれません。しかし、本来は子どものうちから「お金を稼ぐこと」を教えない親のほうが批判されるべきではないでしょうか。なぜなら、それを知らずに大人になれば、社会で快適に生きるための武器を持たないまま荒波に放り出されるようなものだからです。
対談で掘り下げたテーマ
そんな話を、安田佳生さんとの最新の対談でも取り上げました。
【60万円の修学旅行費用を、自分で稼ぐという教育】
子どものうちから「お金を稼ぐ」教育は是か非か──安田さんの視点と私自身の経験を交えながら掘り下げています。以前メルマガでお話しした内容の振り返りとしても、ぜひご覧ください。
以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!
【60万円の修学旅行費用を、自分で稼ぐという教育】
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第84回
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