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企業の栄枯盛衰|成功するビジネスモデルを考える|事業の寿命

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全国にある店舗数から見るビジネスの流行

日本に居住している私たちの周りにあるお店で、最も多い業態店といえば感覚値ではコンビニでしょうか?

しかし調べてみると実際には、コンビニよりも歯医者の数のほうが多く、そして美容院の数は更に多いとのこと。なんと美容室は全国に25万軒近くあり、全国に設置されている信号機の数(20万基強)よりも多いのだとか。

歯医者や美容室が相当多いということは、漠然と知ってはいましたが、実際に数字として認知すると、肌感覚がより正確な認識に変化します。

なぜこんなことをあらためて話題にしたのか。

家電製品の全国販売網はコンビニよりも店舗数が多かった

40代以上の方であれば覚えていらっしゃると思うのですが、ヤマダ電機やビックカメラなどの家電量販店が、世の中を席巻する前の時代を思い出してみてください。全国津々浦々まちなかの商店街には、必ずと行っていいほど、「街の電器屋さん」と呼ばれる商店がありました。

その代表が、松下幸之助氏が率いる松下電器産業が作った「ナショナルショップ」。このナショナルショップが全盛期に約3万7000店あったと言われています。

それと対比すると面白いのですが、2019年現在のセブンイレブンが2万1000店で、ファミリーマートが1万6500店。さらにローソンが1万4500店です。(全て500店以下は四捨五入)

いかに「ナショナルショップ」が隆盛を極めていたかがおわかりになると思います。
それからわずか数十年。

盤石と言われた販売基盤、ビジネスモデルは何年通用するのか?

経営の神様と言われる松下幸之助氏が築き上げた盤石の販売基盤も、50年も持たないという現実を、私たちは知っておかなければならないということです。

松下電器産業は、創業者であり経営の神様であり、松下政経塾をつくって政界にも大きな影響を与え続けた松下幸之助氏の死後しばらくして、社名から「松下」の名前を消し、パナソニックとしてグローバル企業に成長します。ただ近年は業績不振に苦しんでいます。

しかし、まだパナソニック社は、ビジネスとして上流にいますので、経営者次第でまだまだ再起のチャンスはあるでしょう。

流行りのビジネスに依存する危うさを知っておくこと

しかし、街の電器屋さんはどうでしょうか。その倒産件数は数知れず、まだ残っている店舗でも隆盛を極めていた時代から更に成長している店舗は私の知る限り皆無です。

しかし、全盛時代の「ナショナルショップ」として立ち上がった当時の商店のオーナー経営者は、「天下の松下電器と契約ができたし、ナショナルのブランドを掲げればこれでもう安泰だ!」と、当時は嬉々として日々の仕事をしていたはずです。

今、乗りに乗っているビジネスを展開し、好業績を上げている企業を経営しているとしても、あっという間に通用しなくなるということを、業績好調のときこそ私たちは強く認識すべきです。

ちなみに、余談、というか蛇足ですが、

20代以下のビジネスパーソンには、パナソニック株式会社の旧社名や、創業者の名前を知らない人が多数いるという事実。みなさんはこの事実を聞いて驚きませんか?

まぁ、東京通信工業という会社が現在のソニーであることを知らない人も増えましたので、松下電器産業が現在のパナソニックだということを知らないのも、時代的に仕方がないのかとも思いますが、さすがに松下幸之助氏を知らないというのは、ビジネスパーソンとしてどうだろうと思ってしまう私は、もうアタマが古いのかも知れませんね。

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