医療現場での誠実な対応の重要性—脳神経外科医 上山博康氏の言葉
誤魔化したり、自分が正しいという姿勢でいるから裁判になるんですよ。
この言葉は、脳神経外科医の上山博康氏の言葉です。
失敗を恐れずに難しい症例に挑戦し、手を尽くしてもダメだったら「力が及びませんでした」と誠心誠意ご遺族に頭を下げるという上山氏。それでもこれまでただ一度も訴訟がないと言います。
一昔前までの私が持っていた勝手なイメージでは、医師は訴訟リスクを恐れ、うまくいかない可能性が高い症例には積極的に手を付けず、万が一医療ミスやうまくいかない事があっても、遺族に頭を下げるようなことはせずに「自分たちは正しいことをやった。間違えたことはしていない」という姿勢を貫き、それによって訴訟を回避するのが、よくあるスタイルだと思っていました。
ひどい話です。
ひどいのは、そのような医師のことではなく、そのような勝手なイメージを持っていた私のことです。
医療フィクションが生む誤解とその反省
そんなイメージが脳内にこびりついていたのは、おそらく質の低い医療小説やドラマの影響でしょう。小説やドラマはしょせんフィクションですから、面白おかしく事実ではないことを誇張して描くのがあたり前で、そんなことを真に受けて変なイメージを持ってしまうのは最悪ですね。
しかし、脳神経外科医の上山氏は、そんなイメージを払拭してくれるようの志の高い方で、何度もご遺族の方に頭を下げなければいけない場面があったにも関わらず、一度も訴訟がないというのですから、相当な人格者であることが容易に想像がつきます。
そして、この上山氏の仕事に向き合う姿勢は、あらゆる業界のあらゆる仕事に参考になり、生かすことができるものだと私は考えています。
誤魔化したり自分が正しいという姿勢でいるから、本来起こらない問題が起き、その問題が手に負えないレベルまで大きくなってしまうものです。
上山博康氏の教えが仕事に活かせる理由
失敗しないように安全な仕事だけをやるのではなく、どんどん難しいことに挑戦していく。失敗したら、誠心誠意頭を下げる。その姿勢があれば、問題は大きくならないのです。
ちなみに、私は直接的に医療業界で仕事をしたことはありませんが、ちょっとしたご縁はあります。
私の祖父は大戦中は軍医を務め、戦後は開業医、大学病院勤務などを経験した内科医でした。 そして私の息子の一人は、現在東大薬学部に在学中。 また、友人に現役医師もいます。
従業員満足度研究所のクライアント企業にも、医療クリニックが何社かありまして、医師の方々とは定期的にやり取りがあります。
そんな私が直接知っている医療業界の人たちは、みなさん誠実な人格者ばかりです。 リアルで知っている医療関係者の方々がみなさん素晴らしい方ばかりなのに、一時期の私は医療業界に対して変なイメージを持ってしまっていたことがとても恥ずかしく感じますが、そうした過去の自分を正しく振り返ることができたからこそ、この上山氏の言葉が身にしみたのかもしれません。
誤魔化したり、自分が正しいという姿勢を貫くような人間にならないよう、自分を律し、そしてどんどん難しいことに挑戦していきたい。
何かがあれば、誠心誠意頭を下げるのみです。
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