
物価高と金利上昇:不可逆的なトレンド
物価高。そして金利上昇。
このトレンドは中長期(10年から20年)で見た時に不可逆的だということが誰の目にも明らかになりました。
多くのメディアでは、このことを「ネガティブなこと」として報じていて、その報道を真に受けた多くの人が、物価高や金利上昇によって自分の生活が更に苦しくなっていくと受け止めていらっしゃると聞きます。
人によっては、この状況になったのは政治家が無能だからとか、日本企業や日本国が弱体化したからだとか、まるで自分は悪くなくて、自分以外の人や企業に責任があるかのような発言をする人がいます。
デフレ時代の幻想と現実的な経済状況の変化
しかしよく考えてみてほしいのです。いや、そういうことをおっしゃるかたに聞いてみたい。
「物価が下がっていくデフレ時代、低金利が常態化していた時代に、あなたは豊かだったんですか」と。
現実的には、デフレ時代、低金利局面で豊かだった人は、物価高で金利上昇局面でも十分に豊かで、現在の物価高金利上昇局面で生活が苦しいと感じている人は、デフレ時代にも苦しんでいたというのが、実態かと思います。
本当のことだとしてもストレートにいうと角が立ちますが、現実は、デフレインフレ関係なく、他責思考の人はどんな時代のどんな環境下でも、他責思考だってことです。
インフレ局面の実感とリスク
昨今の物価高。総務省が発表している数字は、せいぜい2%~4%程度ですが、多くの人の肌感覚では、この数年で20%くらいの物価上昇が起こっていると感じているんじゃないかと思います。
外食のお店の価格もしかり、スーパーでの各種食材の価格もしかり、建築に使われる材料や車の部品などは数年前の2倍以上の価格になっているものも珍しくありません。車やバイクの車両価格も50%以上上がっているものもあります。
さて、物価上昇していくインフレ局面で、損をするのはどういう人でしょうか?
ひとつは貯金をたくさん持っている人です。
例えば20%物価が上がっているとしたら、1000万円の貯金は、実質的に800万円相当に減っているのと同義です。物価上昇で将来に不安だから貯金を増やすという人が少なからずいらっしゃるわけですが、それ愚策です。
現金は置いておけば置いておくほど、どんどん目減りしていきます。
額面は変わらないため、インフレという概念を理解していない人には自分の資産がどんどん減っている現実を理解することは難しいのですが、これは現実です。
インフレ局面での資産管理と投資
そしてこのインフレ局面で、得をしているのはどういう人でしょうか?
ひとつは、借金をたくさんしている人です。
現金と同じで借金も置いておくだけでどんどん減っていきます。20%物価が上がれば、借金も20%減ります。返済していなくてもどんどん借金が減っていく(目減りしていく)のです。
例えば、5000万円の住宅ローンは、実質的に4000万円相当に減っているということです。
この数年で最低限の金融リテラシーがある方が何をしているかというと、借金を増やしているということと、現金は物価上昇とともに価値が上がる「モノ」を購入するために使っているということ。現金をそのまま貯めておくことが、一番損することだと分かっているから。
まだまだ日本は物価上昇トレンドが当面収まることはありません。賃金もまだまだ上昇していきますから、その原資を確保するために各企業はまだまだ価格を上げていくことになります。
貯金を持っている人は、どんどんその資産を奪われていきます。
それを防衛する手段は、価値が上がるモノ、価値が下がらないモノに、お金を投じていくということです。最も効果的な投資先はなにか?
私のメールマガジンを長く読んでくださっている方なら分かりますよね。
インフレ局面での借金の目減りと金融リテラシー
もっとも愚かなことは、現金を現金のまま持ち続けること。
デフレ局面では、現金を現金のまま持ち続けても資産は少しずつ増えていきましたが、インフレ局面ではどんどん減っていきます。
借金を持っている人は、どんどんその借金が目減りしていきます。
借金が減っていくという感覚がピンとこない方に、ひとつ例え話をしておきます。
戦後10年くらい経ったころの昭和30年代くらいは、100万円で立派な家が建ったと言われています。今、立派な家を建てようと思ったら、どうでしょう1億円くらいでしょうか。当時と同じレベルの建物を今建てたら1億円もしないと思いますが、「当時なりの立派な家」と「現在の立派な家」を比較すれば、そのくらいの差でしょうね。住宅ローンという借金が、インフレ局面ではどんどん目減りしていくという意味が、この事例でも分かるのではないかと思います。
これらはあくまでも「最低限」の金融リテラシーがあればわかる初歩的なことです。
こういうことを従業員に伝えていくことも、ES向上に繋がります。
ただただ給与を現金支給しているだけでなく、その現金をどのように使うかで人生はいかようにもコントロールできますからね。
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