
人を理解することの難しさ
人間一人ひとりのことを知ることは、決して簡単なことではありません。
長年一緒に暮らしている家族ですら、相手のことを完全に理解することはできません。何十年も連れ添った夫婦でさえ、時折「こんな一面があったのか」と驚くことがあります。友人や同僚、ましてや仕事で関わる人々のことを深く知るのは、なおさら難しいものです。
また、言葉では立派なことを言っていても、その人が本当に誠実で正しいのかどうかは、表面の言動だけでは判断できません。口では「誠実さが大事だ」と言いながら、自分の利益を優先する人もいます。世間では「立派な人物」と評されていても、実際には全く違う姿があることも珍しくありません。
人の本質は日々の行動に表れる
しかし、完全に理解することはできなくても、その人の真実の正しさを見抜くことは可能です。
なぜなら、それは礼節と同じで、日々の小さな行動に確実に表れるからです。
どんなに立派な言葉を並べても、 どんなに世間の評価が高くても、 どんなに華やかな舞台で成功を収めても、
日々の些細な行動を観察すれば、その人の本質が見えてきます。表面上の言動ではなく、小さな場面での選択や態度にこそ、その人の真の価値が表れるのです。

リーダーの行動が従業員に与える影響
例えば、あるリーダーが大きなビジョンを語り、従業員のために良い環境を作ろうと言っていたとします。しかし、そのリーダーが日々の小さなことをおろそかにし、社員の話を適当に流したり、約束を守らなかったりするなら、どうでしょうか?
従業員はそのリーダーの言葉ではなく、行動を見ています。
言葉では「社員第一」と言いながら、実際には自分のことばかり考えている人
表面上は礼儀正しくても、裏では部下を軽視している人
こうした態度は、どんなに隠しても、日々の小さな行動に必ず表れます。
そして、それは時間とともに明らかになり、やがて周囲との関係性に大きな影響を与えるのです。
小さな行いが積み重なると大きな差になる
小さな行いを大切にする人と、そうでない人とでは、時間の経過とともに大きな差が生まれます。
それはビジネスの世界でも同じです。表面的な成功を収めたリーダーでも、日々の行動が誠実でなければ、周囲の信頼を失っていきます。一方で、派手な実績がなくても、小さなことを誠実に積み重ねているリーダーは、確実に信頼を得ていくものです。
ES向上のためにリーダーが見直すべきこと
ES(従業員満足度)の向上を目指すリーダーとして、まず振り返るべきは、自分自身の小さな行いです。
日々の行動が、従業員にどのように映っているのか。
自分が大事にしている価値観が、行動を通じて伝わっているのか。
部下や同僚、取引先など、関わる人々がリーダーをどう見ているのか。
それを考えることが、ES向上の出発点になります。
結局のところ、人間は言葉ではなく、行動で評価されるものです。
過去の輝かしい実績でも、立派なビジョンでもなく、
「小さなことを、どのように行っているか」
そこにこそ、リーダーの本当の価値が宿ります。
人間の真実の正しさ。
それがなければ、ESの高い組織を築くことはできません。
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当社の「従業員」の定義
当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています。
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。
一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で、
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。

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