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安田佳生さんとの対談 38【経営者が持つべき物欲とは】

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元ワイキューブの社長で境目研究家 安田佳生さんとの対談企画

人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、安田佳生さんと対談していきます。

雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。

第38回目は【経営者が持つべき物欲とは】という内容です

今回の対談は、「物欲」についてお話をしました。

皆さんは、物欲についてどのような考え方をお持ちでしょうか?

日本では戦後の高度成長期からバブル期、そして現在に至るまで、さまざまな企業や団体が、私たちをドーパミン中毒にすべく、セールスやマーケティングのテクニックを駆使して、人々の欲求を刺激し続けています。

何かを手に入れたら、さらにまた何かが欲しくなるように、あの手この手で企業やその企業に所属している人たちが工夫しているわけです。

ドーパミンとは、快感や意欲を誘発する神経伝達物質のことで、幸せホルモンのひとつとされているものです。
しかしドーパミンが一度分泌されると、「もう一度快感を味わいたい」という欲求が繰り返されるため、どんどん快感を味わうために人々はお金を繰り返し使いたくなってしまいます。
その象徴的なものとしての「物欲」の刺激があり、そういう社会のメカニズム(?)を意識しておかないと、私たちは知らず知らずのうちにドーパミン漬けにされてしまいかねません。

さて、経営者の中には、自分の収入が上がっていても年齢とともに物欲がなくなっていくという人がいます。
それは、若い頃に物欲が旺盛だったこととの比較でそのように言っているわけですが、実際にそういう人は私の周りにも少なくありません。

私自身は、自分の人生全般で、欲求は強いほうだと思いますので、その欲求のひとつとして、それなりの物欲が今でもあると、自分のことを認識しています。
欲求の中でもっとも大きなものは、自分の夢や志に対する欲求です。このことに対する欲は、年々高まっていて、おそらくこの欲は死ぬまで高まり続けるんじゃないかと、今は思っています。

「みんなが楽しく働けて、みんなが輝ける組織をつくる」という欲求には、ゴールがありませんので、欲求が満たされることがないわけです。

そして物欲。
「もう欲しいものが無くなった」という人がいますが、私には欲しいものが今でもありますし、そして欲しいものを手に入れれば相応の喜びもありますので、自分には物欲があると思っています。

しかし、よく考えたら、いわゆる一般的な物欲とは質が違うことに今気づきました
そもそも、「もの」単体で欲しいものは無く、そういう物欲で何かを買うという行動は、もう何十年もしていないことに気がつきました。

例えば、最近で言えば、最新のアップルウォッチを購入しましたが、これは物欲を満たすために買ったわけではなく、そのアップルウォッチというモノを通じて利用できるテクノロジーが、私の夢や志を前進させることになることを確信したから購入したものであり、物欲が根っこにありません。

これは、料理人が包丁を買うのと同じ動機ですね。物欲を満たすために買ったわけではありません。

また最近、昭和49年式のビンテージバイク(Kawasaki 750RS)を購入しましたが、これも物欲を満たすために買ったわけではなく、前のオーナーが私のことを気に入ってくださり、「ぜひ藤原さんにお譲りしたい。なぜならば◯◯(語れば1日以上かかるほどの理由)だから」と熱烈なラブコールを送ってくださり、その方の熱意にほだされ、かつこのバイクを所有することが、志に向かっていく私の人生と私の周りの人たちの人生をも豊かにしていくことに繋がると感じたため購入したものであり、このバイクそのものが欲しかったわけではなく、そのストーリー込みで買ったに過ぎません。

これは、写真家が信頼している人から「ビンテージカメラを譲りたい」と言われて、その人がそのカメラに持っている思いも含めて引き継いでそのカメラを使って作品をつくるというのと同じ動機ですね。物欲を満たすために買ったわけではありません。

私が購入した750RS(通称Z2)というバイクは、50年以上前に生産されたバイクですので、それをきちんと動くようにするためには、多くの部品を買って整備しなければなりませんでしたが、それらの部品も物欲を満たすために買ったわけではなく、前オーナーの想いがこもったバイクに魂を吹き込むためにお金を使ったに過ぎません。

自分自身のことをあらためて客観視したら、いわゆるシンプルな物欲(モノそのものが欲しくなること)は、もう無くなってしまったのかもしれないと感じています。

今回の対談ではそこまで深く掘り下げていなくて、その対談のあと、厳密に言えば今これを執筆している瞬間に、自分のことに気がついたという珍しいパターンですね。

物欲は別にしても、私の周りには、「欲」そのものが旺盛な人たちがたくさんいます。
その欲は「社会や組織や仲間や家族の未来をより良いものにしたい」という類のものです。

そしてそういう欲求が強いからこそ、道なき道を切り拓くことができ、困難に負けることなく挑戦をし続けることが出来るわけですね。

物欲も、そうした欲求の一部としてあるものであれば、経営者は物欲を否定すべきではないと私は思うのですが、皆さんはどうお感じになるでしょうか?

以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!

【経営者が持つべき物欲とは】
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第38回目

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当社では理念やクレドに「従う」という意味で
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。

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