金融リテラシーが必要な理由と物価上昇の影響
今日はまた、少し金融リテラシーに関する話をしたいと思います。
私のブログやメールマガジンでは、今までに不定期で読者の方の「お金の勉強」になればと思い、金融リテラシー(ファイナンシャルリテラシー)に関する話をしてきました。
その都度申し上げてきておりますが、私は金融の専門家ではありませんし、金融関連企業での勤務経験もありません。変わり続ける金融関連の法律やルールのすべてをキャッチアップしているわけではありませんし、個別の金融商品について特徴などを知っているわけでもありません。
(二級ファイナンシャル・プランニング技能士という資格は持っております)
そして、私は誰かに対して投資に関する具体的なアドバイスをすることは一切ありません。
ただ、本質的かつ基礎的なことを考え続けていて、それをベースにしたお金に関する知恵や知識を信頼している人たちにお伝えする機会が少なからずあります。
私としては「本質」「基礎」を話しているだけで、「最新の金融テクニック」のようなものを伝えているわけではないので、希少で貴重な話をしているつもりは毛頭なく、多くの人が理解しているであろうことだと思っているわけですが、私の話を聞いた方が少なからず
「この話は多くの人に聞いてもらったほうが良いと思う。きっと大多数の人は知らない、もしくは気づいていないことなんじゃないでしょうか。」
ということをおっしゃってくださるので、私としては専門外だと思っていることですが、ご要望に応じて私の考えを、必要としてくださる方にお届けしている次第です。
現在の日本経済:金利の異常さと預金のリスク
今日あらためてお話しようと思ったことは、物価上昇と金利のお話。
物価上昇の話も、金利の話も、いままで何度もお話してきていますし、現在の日本の金利動向などを冷静に見ている人にとっては、釈迦に説法かとは思いますが、どうやらまだ多くの人が、現在の日本の経済状況に上手にアジャストできていないようですので、今一度、少しお話しようと思った次第です。
実は、そんなことをあらためて思ったのは、キッカケがあります。
それは先日、社会保険労務士の稲田行徳先生と話をしていたときのこと。
「もしデフレの真っ只中だった10年前に、普通預金金利がマイナス3%だったとしたら、普通の国民はどういう行動をすると思います?預けていればいるほどお金が減っていくわけですから、慌てて預金を引き出しに行きますよね?それなのに、今みんなこの物価上昇局面で、慌てることなく相変わらず銀行に現金を預けているのって、不思議で仕方ないんですよ。だって、◯◯じゃないですか?」
って、私が言ったら稲田先生が、
「これ、ほとんどの人が多分気づいていないし、理解もしていないと思いますよ。そして急いで再度伝えたほうが良いと思うので、この話を公開前提で収録しましょう」
ということになったのです。
私のメールマガジンを読んでくださっている方なら、よほどのことがない限りは、現金を銀行に預けている状態は、今は全く安心安全ではないということを理解したうえで、早々に引き出して違う場所に移動しているか、もしくはそれでも引き続き預けているのであれば少なくないデメリットがあることを理解し、そのデメリットを差し引いたとしても預けておくべき理由があるから、意思を持って預けているということかと思います。
インフレ時代に行うべき具体的な行動
現在の物価上昇(インフレ)局面と、現在の日本の金利について解説し、これをどう考えてどのように行動すればいいかということを、解説した動画(YouTube)と音声コンテンツ(従業員満足度実践塾)を収録いたしました。
まずは先日、従業員満足度実践塾の方で、その音源を公開いたしましたので、塾生の方は、できるだけ早めにご確認いただければと思います。
YouTubeは、誰もがアクセスできる状況にあるため、あまり具体的なことまでは言及していませんが、実践塾の音声コンテンツについては、塾生(有料会員)しかアクセスできないものなので、生々しい具体事例と固有名詞や実際の金額などについても話をしています。
従業員満足度実践塾をご利用いただいていない方にも、YouTube動画を見ていただくことで、本質的なことが理解できるように解説しましたので、ぜひそちらで学んでいただき、ご自身が大切に思う方にもシェアしてください。
ただ、毎日配信されるメールマガジンをしっかりと読み込んでいただいている方は、おそらくもう十分に理解していることだと思いますから、復習くらいの気持ちで見ていただければ(聞いていただければ)と思います。
「今はボーナスステージにある」という話も、過去に何度もいたしましたが、今回はそのボーナスステージの具体事例と、具体的な活用の仕方も話しています。
(実践塾内では、超具体的に事例を上げています)
従業員満足度と金融リテラシーの向上が未来を変える
自社の全従業員の金融リテラシーを高めていくことも、ESを向上させるための重要な要素のひとつです。
経営者の皆さんは、これをキッカケに、物価上昇(インフレ)に負けない金融リテラシー教育を、全従業員の方々にしていってくださいね。
従業員の年収を上げていくことも重要ですが、給料を受け取った従業員がそのお金をいかに上手に活用できるかどうかのリテラシーを身につけることは、それと同等以上重要なことですからね。
物価上昇局面、インフレ局面であることは、もう誰の目にも明らかな現状で、さすがにそこに異を唱える人は日本には一人もいらっしゃらないだろうと思います。
しかし、過去30年くらいデフレと言われ続けて、物価が変わらない(上がらない)もしくは、ちょっとずつ下がることが当たり前の環境下に慣れきってしまっていた私たち日本人は、その時代の思考パターンと行動パターンが骨の髄まで染み込んでいるため、ほとんどの人は現在の物価上昇局面に適切な対処ができていません。
ほとんどの人にとっては、ここ数年は収入の上昇率を物価の上昇率が上回っている現状がありますよね。
そうなると、名目上の収入額が増えても、以前よりも購買力が落ちることになりますから、資本主義社会の中では生活上の経済面では「苦しい」と感じる場面が出てきます。
そしてそのように苦しさを感じるがゆえに、財布の紐が固くなってしまうという現象を実感している人も増えているのではないかと想像しています。
物価が上昇し続け、先行き不透明な時代です。銀行に現預金があったとしても、それを積極的に消費したり投資したりせずに、必要不可欠な生活必需品などは仕方がないとしても、それ以外は贅沢は慎んで、銀行にある余裕資金は当面はできるだけ取っておこうと考える人が多いのではないかと思うのです。
そんなおりに、ネット系の銀行を中心に預金金利を2%程度まで上げるという動きが出てきていることを、ニュースで知ったという人もいらっしゃると思います。
そして、多くの国民は自分が所有している現預金を、金利が上がっている金融機関に預け替えをするという行動に出ている、もしくはこれからそうしようと思っている人が増えているのではないかと思います。
メディアのインタビューを受ける金融機関の広報担当者は、預金金利を1.5%とか2.0%とかそういう水準にすることを「うちもなんとか頑張ってそれを維持したい」という類のコメントをしていましたが「この時代に何を寝言言ってんだろう」と、私は率直に思いましたね。
「金融リテラシーが決して高くない一般国民をそうやって騙して、心が痛まないのだろうか?」と、私は憤りを感じました。
令和7年(2025年)1月現在、1.5%とか2.0%で預金を集めようとしている金融機関は、全然顧客のために頑張っていないどころか、そうやってお金を集めれば自分たちが相当儲かるからやっているだけです。
そんなことは、超基礎的な金融の知識があれば誰でもわかることなのに、知識がない国民に向けて、「うちの銀行は企業努力で金利を上げてお客様のために頑張っているんです」みたいなオーラを出してポジショントークをしているのですから、開いた口が塞がりません。
今年は日銀が、異次元の金融緩和政策に終止符を打った年でした。
「金利ある世界へ」踏み出した年だったことは間違いなく、長期金利は1.1%まで上昇したわけですが、今の物価上昇率と比較すると、歴史的に見てもまだまだ異常な状態が日本では続いているということも間違いありません。
デフレ局面ではゼロ金利やマイナス金利という金融緩和政策が取られましたが、インフレ(物価上昇)局面では、それに見合った金利になるのが正常な資本主義社会の形です。
しかし、今の金利は、ほんの僅かだけ上昇しているに過ぎず、現在の経済状況を見ればまだまだ異常な低金利が続いています。
この異常な状況の中で、基礎的な金融リテラシーのある人は、淡々とやるべきことをやっていますが、その異常さに気づいていない人たちは、自分の現預金を日々どんどん何者かに抜き取られているも同然なのですが、大手メディアはそんなことを一切言いません。言ってくれません。
現在の物価上昇局面で、私たちはどのように思考し、どのような行動をすべきなのか?
ちなみに、ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)を本気で高めていこうと思ったら、経営者自身が金融リテラシーを身につけるだけでなく、従業員一人ひとりの金融リテラシーも高まるように導く必要があります。
高い給料よりも重要なこと:お金の使い方で未来が変わる
どれだけ高い給料を出したとしても、それを受け取る従業員の金融リテラシーが低ければ、お金は右肩下がりに減っていきます。
しかし、劇的に高い給料じゃなかったとしても、受け取る従業員の金融リテラシーが高ければ、お金に困らない人生を歩むことが可能になります。
今回の動画は、皆さんが見ていただくだけでなく、もし皆さん自身がなにか気付きや学びがあったと感じたら、ぜひ皆さんの部下や友人にもオススメしてみてください。
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当社の「従業員」の定義
当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています。
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。
一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で、
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。
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