高いレベルの仕事をする人とのお付き合いが、自分の人付き合いの中心になると、自分の中での仕事の「標準」が気がついたらものすごく上がっているということがありますよね?
それが当たり前になると、自分でなにかの仕事に取り組んだとき、その仕事をこなす速度のあまりの遅さも含めた要領の悪さに、ほとほと自分が嫌になることがあります。
しかし最近は、中途半端に要領よくできてしまうよりも、ハッキリわかるくらい出来が悪い方がむしろ良いと思うようになりました。
なぜ、仕事を任せられないのか?自分はそんなに仕事ができるのか?
中途半端に要領よく仕事ができるくらいなら、仕事ができないほうが、リーダーとしての適性は高いかも知れませんね。
なんせ、多くの仕事は私がやるより、違う人がやったほうが速度も速くて出来も良いのですから。私自身は「積極的にやらない」という選択肢をとることで、組織としての生産性も高まるだけでなく、私から仕事を引き受ける従業員たちの能力開発も進みますので、一石二鳥です。
自分ができないことや、できたとしてもこなす速度が遅いことは、即座に自分以外の人に仕事を手渡すこと。ここに徹するようにしています。
これができる環境があることは、手渡す私にとっても、手渡される誰かにとってもメリットしかありません。
もちろん、メリットしか出ないように設計しているからこそ、そのようになっているわけですが、こういうときにこそ組織のES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)が活きてきます。
自分よりも能力の高い人と一緒に仕事をしたいなら
何をやってもそれなりに出来てしまうような要領のいい器用な人に、生まれてこの方ずーっと憧れてきました。どうやったらそのようになれるか、めちゃくちゃ考えていた時期もあります。
しかし、経営という仕事に携わるようになって分かってきたのは、「何をやってもそれなりに出来てしまうような要領のいい器用な人」でなくて、本当に良かったということ。
中途半端に要領がいいと、何でもかんでも自分がやったほうが速いし、自分がやったほうがうまくできるって思ってしまいますので、会社が自分の実力以上に大きくなりません。
何でもかんでも自分でやって、メインの仕事を従業員に渡さないと、従業員も成長しませんし、何より優秀な人は重要な仕事を任せてもらえないような組織に、絶対に定着しません。
結果として、自社の従業員が自分より能力の低い人間ばかりになってしまいます。
仕事を任せると、部下の能力開発も進み、一石二鳥
その点、何をやってもそつなくこなす能力が天から与えられなかった私は、そのおかげもあり、弊社従業員は、実務では私よりも優秀な人ばかりになりました。
例えば、英語を使って行う仕事。昔は全部自分でやっていたのですが、なんせ私の英語では時間がかかる。
例えば、様々な電子デバイスを活用して行う仕事。エクセルのマクロをフル活用したり、アクセスでデータベースを作ったり。それらも昔は全部自分でやっていたのですが、なんせ私の能力ではとにかく時間がかかる。
例えば会計&請求業務。例えばウェブサイト制作。これらも全く同様です。
どんな仕事でも腰を据えてやればできないことはありません。しかし、ひとつひとつの実務能力に劣る私が取り組めば、時間もコストもかかり、成果物のクオリティも決して高いとは言えません。
とにかく、私自身は「積極的にやらない」という選択肢をとることで、組織としての生産性も高まるだけでなく、私から仕事を引き受ける従業員たちの能力開発も進みますので、一石二鳥なのです。
何をやってもそれなりに出来てしまうような要領のいい器用な人になれなくて、本当に良かったと心から神様に感謝しています。
私のことをあまり知らない人から見れば、負け惜しみを言っているように感じるのかもですけどね。
仕事を任せることと、丸投げすることの、根本的な違いがお分かりいただけるのではないかと思います。
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当社の「従業員」の定義
当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています。
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。
一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で、
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。
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