ブログ

永守重信氏のマイクロマネジメントに学ぶ成功の本質と後継者問題の真実

  • 公開日:

稀代のカリスマ経営者:永守重信氏とその経営手法

日本にカリスマ経営者と言われる人は何人もいます。古くは渋沢栄一氏や松下幸之助氏、本田宗一郎氏などが有名ですね。

そんなカリスマ経営者として有名な現役経営者の一人、永守重信氏。
言わずとしれたニデック株式会社(旧:日本電産)の創業者であり、現在も代表取締役兼グローバルグループの代表(令和6年現在)としてトップに君臨しています。

私は直接面識はありませんが、さまざまなメディアを通じて知るだけでも、相当レベルの高い経営者であることがわかります。天才でもあり努力の人でもあり、知識・見識・胆識の全てを高いレベルで持ち合わせている方だと想像しています。

そういう意味では尊敬する経営者の一人であることには違いなく、経営者としてのマインドや覚悟は見習いたい部分は多々あるのですが、経営スタイルそのものは私とは全く価値観が異なり、戦術レベルでは参考にしたいと思うことはほとんどありません。

マイクロマネジメントの光と影:成功と後継者問題の狭間で

永守氏は現在80歳。今まで何度も後継者と目される人物に、社長やそれに準ずる役職を与えては短期でやめさせてまた自分がトップに返り咲くなど、輝かしい業績とは裏腹に、後継者問題では迷走を続けています。

永守氏が、1973年の創業から現在に至るまで約50年間、圧倒的な結果を出してきたのは揺るがぬ事実で、それは誰も否定することはできません。
その彼が得意としている手法がマイクロマネジメント。

マイクロマネジメントとは、リーダーが考えたやり方を徹底して部下に守らせて、そのやり方も逐一細かく確認をしていくやり方です。
仕事に対してこだわりが強い人が、考え方から話し方やり方まで、全てを自分のやり方でやらせて、違うやり方で少しでも結果が悪ければ、徹底して自分のやり方を踏襲させるという、そんな手法です。

そんなマイクロマネジメントで、グループ売上2兆円を大きく超えているのですから、いろんな意味でケタ外れです。

しかしそのマイクロマネジメントが、後継者問題を難しくしているのは間違いなく、外部から超優秀な経営者を何度も招聘して役員として仕事を任せてもうまくいきません。

50年以上マイクロマネジメントで経営をしてきて、それが染み付いた社風の中で、違う人が経営者になってその人のやり方に変えれば、一時的に業績が低下するのは当然のこと。
しかし長期的に見て任せるというのが本来の事業承継なのですが、天才肌で人並み外れた結果を出し続けてきた永守氏は、自分がやれば維持またはさらに上げられる業績が、時期トップ候補者が采配を振るったときに一時的にでも業績が低下することを許すことができず、更迭して自分が元サヤに戻ってしまい、それで業績が回復してしまう為、どんな人にも任せることができないというループに入ってしまっています。

カリスマ経営者の賞味期限:組織が学ぶべき教訓

私(藤原清道)が行う経営手法は、メールマガジンを長く読んでくださっている方はよく理解されていることと思いますが、この永守氏の経営手法は、私の経営手法とは真逆で、まったく相容れないものです。

なので、具体的な戦術レベルでは参考にするところは無いのです。

しかし、人心掌握術に長けた永守氏は、多くの人を徹底して「永守色」に染め上げることで、多くの人を成長させてきて、彼のやり方に陶酔できる人に限っては、とても満足度の高い組織になって成長してきたのだと思います。

そういう意味では、トップダウン型のマイクロマネジメントでも、ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)も業績も上げることができるというひとつの事例になります。

ところが、そんなニデック株式会社(旧:日本電産)からここ数年はエリート幹部が大量に流出しているという話が、あちこちから聞こえてくるようになりました。
つまり、優秀な人材のESがどんどん下がっているということです。

稀代のカリスマ経営者と言われた永守重信氏。

どんなに優れた人であっても、人間である以上どこかで必ず衰えがきます。
つまり、どんな経営者にも必ず賞味期限切れがくるということであり、その事実を早いうちから自覚して対策を講じておかないと、組織は大変なことになります。

稀代のカリスマの求心力が落ちることによって起こるさまざまなことから、私たちはこれからいろんなことを学ぶことができますね。

カリスマ経営者への挑戦状:唯一優れている経済的な指標とは?

とは言え、資本主義社会の中で、弊社よりもニデック社の方がはるかに高い経済的成果を上げていて、その経済力を通じて弊社とは比較にならないレベルの多大なる社会貢献をしていることは間違いなく、ニデック社よりも多くの利益を出して多くの税金を収めるようにならなければ、ただの弱者の遠吠えと言われても否定できません。実際に、会社としても個人としても経済的な比較をされたら弱者ですからね。

ただそれでも、一点だけはその経済的指標で弊社がニデック社よりも秀でていることがあります
私はそこをとことん突き詰めて、尊敬する経営者である永守重信氏が現役で活躍しているうちに「あいつ面白いな」と、存在を認識させられるようになろうと思います。

どんな指標なのか?
どんなことを考えて事業経営を行っているのか?

気になる方は、メールマガジンでお待ちしております。

日本で唯一のESに特化した
会員制メルマガ

月額880円(税込)※1ヶ月間無料購読可

会員制メルマガについて詳しく見る

当社の「従業員」の定義

当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。

一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。

書籍のご案内

ES2.0書籍のサムネイル

代表の藤原清道が自ら経営する会社での実体験を通して得た、従業員満足度を上げるための実践的なノウハウをお伝えする、経営者やリーダー必読の一冊です。

Amazonで購入する
ES2.0書籍のサムネイル

手軽に学び始めたいという方はこちら

日本で唯一の
ESに特化したメルマガ

メールのアイコン

2008年の創刊以来、毎日配信し続け6000号。
採用や組織作りを中心とした現役経営者の思考を学べる
1ヶ月間無料の日刊の会員制メールマガジンです。

会員制メールマガジンを購読する

気軽に情報収集から始めたい方はこちら

X / YouTube

従業員満足度研究所 代表 藤原清道

Xは毎日発信、YouTubeも平均月に2本アップ。
採用や組織作りなどについて無料で学べる公式アカウント。
メルマガはハードルが高いと感じられる方は、
まずSNSのチェックから始めてみてはいかがでしょうか。

対談企画

定着と報酬の関係

代表の藤原清道が、株式会社ワイキューブ創業者で境目研究家の安田佳生さんと対談しています。

サービスについてご質問などがございましたら、こちらからお問い合わせください。

お問い合わせはこちら