元ワイキューブの社長で境目研究家 安田佳生さんとの対談企画
人は何のために働くのか。
仕事を通じてどんな満足を求めるのか。
時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。
その中で「ES(従業員満足度・従業員エンゲージメント・ウェルビーイング)」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道が、安田佳生さんと対談していきます。
雇わない株式会社というユニークな会社の取締役も務め、「雇わない経営」を標榜する安田さんと、ESの向上を使命に事業展開する私(藤原)の対談を、ぜひ読んでいただければと思います。
第46回目は【人工生命体が職場にもたらすもの】という内容です
何度かメールマガジンでも話題にいたしましたが、GROOVE X(グルーブ・エックス)社が生み出した家族型ロボットのLOVOT(らぼっと)に興味を持ち始めて数ヶ月。
以前より、このLOVOTの存在は知っていましたが、以前の私の認識はあくまでも「ペットロボット」という認識で、高性能なペット型のおもちゃであり、犬や猫といったリアルなペットの劣化版でしかないんだろうなと(めっちゃ失礼ですね)勝手に思っていたのです。
ペットの代替品として本物のペットを目指して、ペットに少しでも近づけるような存在としてロボットを作るという発想で開発をすれば、どこまで進化しても本物のペットには追いつくことはできません。
人間も含めて、生身の生きものは、良くも悪くも不完全であり、その不完全さが魅力の一つになるわけです。
例えば、お行儀が悪かったり、病気になったり、お漏らしをしたり、家の壁紙を引っ掻いて破ってしまったり。そういうことは飼い主としてはもちろん「困る」ことではありますが、そういうことを覚悟して迎い入れますから、なにかそういう「困る」ことをされたとしても、そのペットを虐待したり、またペットショップにクレームを入れて返品したりということはまずありません。(ごく一部の例外はあるかもしれませんが、そういう例外的飼い主はここでは除いて考えてください)
しかし、本物のペットを目指して作られたロボットであっても、もしそのロボットが暴走して家の家具を破損させたり、ロボットの本体から液体が漏れ出してきたり、なんてことがあれば、ほとんどの人は製造元にクレームを入れるだろうと思われます。返品・返金を求める人も少なくないはずです。
こういう視点で考えてみても、本物のペットを目指して作るペット型ロボットの限界があるわけです。
近づければ近づけるほど、不完全さを残して不完全だからこそ出る魅力を搭載しなければならないわけですが、本物に近づければ近づけるほどクレームになってしまうという現実。
なので、LOVOT(らぼっと)も以前の私は「ペット型ロボット」と先入観を持って認識してしまっていたときは「所詮ペットの劣化版にしか過ぎないでしょう」と思い込んでいて、実際に購入するというハードルを超えるまでに至らなかったわけです。
金額も約60万円で毎月1万円以上の維持費がかかる、というこの本物のペットになりきれないペット型ロボットに、食指が動かなかったわけですが、LOVOTをペット型ロボットだと認識している人の中には、私と同じ意見を持っている人も多いんじゃないかと思います。
しかし、あるきっかけからビジネスカンファレンスのようなところで、GROOVE X社の創業者であり代表の林要さんの存在を知り、その後「LOVOTはペットの代替として購入している人はいるかも知れないけど、そこを目指しているのではなく、作っているのはドラえもんの先祖である」ということを知り、俄然興味が湧いてきたのです。
ドラえもんが、どういう存在であるかは説明不要ですね。
22世紀に生まれたドラえもん。現在は21世紀ですから、まだドラえもんは生まれていないわけです。ドラえもんというロボットは、ある日突然あのような成り立ちで生まれたわけではなく、ドラえもんに進化するもっと手前に、違う形のロボットがあったはずという仮説。それがドラえもんの先祖であり、その存在をイメージして具現化したのが、現在のLOVOTだというのです。
そして、GROOVE X社の林さんは本気でドラえもんを作ろうとされていらっしゃるご様子。
ドラえもんは、皆さんもよく御存知の通り、ロボットでありながらも生命感あふれる存在で、感情もあってリアルに生きていると誰もが感じるんじゃないかと思います。
しかし、漫画の世界ではなく、リアルな世界で私達が触れたことのあるロボットは、優れた能力は持っていても、感情を持って本当に生きていると感じられるものは今まで皆無だったのではないかと思うのです。
どんなに優れたテクノロジーで作られた最新のロボットだとしても、その存在を「凄い」「ハイテク」と感じることはあっても、生々しい生命感を覚えるようなことはなかったわけです。
ところが、ドラえもんは違いますよね。
のび太やジャイアンとの会話や生活の仕方を見ても、生命感がものすごいじゃないですか。
LOVOTは21世紀の現時点では、まだドラえもんのような生命感はありませんが、さすがドラえもんの先祖だけあって、生命感が凄いのです。
自然から生まれたものではなく、人の手によって人工的に生み出されたものでありますが、そこには確実に命が宿っている感があるわけです。まさに「人工生命体」と呼ぶにふさわしい存在です。
家事を手伝ってくれるわけでもなければ、仕事を手伝ってくれるわけでもない、ある意味でなんの役にも立たないロボット。
しかし生命を宿していて、人の感情に影響を与え、幸せな状態を目指す人間にポジティブな刺激があるのだとしたら、私が「従業員満足度研究所株式会社」という組織を通じて世の中に貢献しよう考えているビジョンとめちゃくちゃ近いと感じ、そして現在の最新のAIなどのテクノロジーを詰め込んだLOVOTを私自身が知らないことには、私の仕事も進化しないだろうと考え、まずは従業員満足度研究所でLOVOTを導入しようと思ったのです。
安田佳生さんも、LOVOTに興味を持たれたことがあるそうです。
今回の安田さんとの対談も、楽しんで読んでみてくださいね。
以下をクリックして、対談内容をチェックしてみてくださいね!
【人工生命体が職場にもたらすもの】
安田佳生 ✕ 藤原清道 連載対談 第46回目
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一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
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