2008年(平成20年)、日刊メールマガジンの配信を始めた。
現在まで、6230日以上、休むことなく書き続けている。
このメールマガジンの原型は、もともと身近な経営者仲間三人に向けて送っていた、ただのグループメールだった。尊敬する先輩方からいただいた言葉や、書籍の中で出会った言葉の中から、自分たちを鼓舞するものを選び、そこに自分の所感を添えて送る。
それは、外に向けた発信というよりも、自分たちが折れないための、内向きのやり取りに近かった。
だが、マイクレドが自分の中に深く浸透してからは、学び続けることも、経営上の課題に向き合うことも、特別なことではなくなっていった。考えること、悩むこと、迷うことそのものが、日常の一部になっていったのだ。
それでも、人間である以上、身体・感情・知性のバイオリズムには必ず波がある。どれだけ覚悟を決めたつもりでも、弱さは顔を出す。順調なときほど慢心し、苦しいときほど投げ出したくなる。
だから私は、「続ける仕組み」を持つ必要があった。
良いときも、悪いときも、調子がいい日も、何もかもが嫌になる日も、同じ姿勢で自分と向き合い続けるための装置。それが、日刊メールマガジンだった。
毎晩、就寝前にその日の出来事やインプットを咀嚼し、自分の中で言葉にまで落とし込み、それを外に出す。一度言語化した思考は記録となり、やがて自分自身への約束になる。
このメルマガの想定読者は、何を隠そう、最初は私自身だった。誰かに評価されるためでも、賢く見せるためでもない。ダメな自分が、安易なほうへ流れていかないようにするための、躾の道具だった。
私は昔から、放っておけばすぐに楽なほうへ逃げる人間だ。努力や挑戦をやめる理由を、いくらでも思いついてしまう。だからこそ、「書く」という行為によって、自分を日々、現実に引き戻す必要があった。
組織づくりも、まったく同じだと思っている。人は、理念を掲げただけでは変わらない。一度きりの研修や、一時的な盛り上がりでは、何も定着しない。日々の言葉と行動の積み重ねによってしか、価値観は身体化されない。
私がメールマガジンでやっていることは、組織論で言えば「価値観の反復」と「自己点検」だ。自分自身にできないことを、組織に求めるつもりはなかった。
ありがたいことに、配信を続けるうちに、読者の方々から感想やお礼のメッセージが届くようになった。
いつの間にかこのメールマガジンは、「働くこと」に違和感や悩みを抱えながら、それでも真剣に向き合おうとしている人たちに、支持されるようになっていった。
一年間の購読解除率が2.5%未満で推移し、読者数も毎年増え続けているという事実は、一定の評価をいただいている証なのだと思う。だが、それでも、私が書き続ける文章の本質は変わらない。
これは、私が私であり続けるための装置だ。
藤原の日々の思考と活動を、できるだけ鮮度の高い状態のままリアルタイムで配信する。その一挙手一投足が、どこかで「今日もやってみよう」と思える力になれば、それ以上望むことはない。
最初は、完全に自分のために書き始めた。だが、読者が増え、毎日の配信を待ってくださる方がいることを知り、その期待の大きさを実感するようになるにつれて、次第に意識は変わっていった。
今では、自分のためだけに書いているとは言えない。この文章の向こう側にいる読者の顔を思い浮かべ、その人にとって今日の一通が、どんな意味を持つのかを考えながら書いている。
少なくない読者の方々が、貴重な時間とお金を投じて読み続けてくださっている以上、そこに甘えは許されない。投じていただいたものの十倍以上の価値をお返しする。その覚悟を持たなければ、毎日書き続ける資格はないと思っている。
背伸びも、過度な謙遜もせず、その時点での自分の思考と迷いを、そのまま言葉にする。それができる場は、私にとって、自らが経営する事業会社の現場と、この日刊メールマガジンしかない。
事業会社の現場は、誰もが気軽に覗けるものではない。だが、このメールマガジンがあることで、私と私の会社に興味を持ってくださる方に、日々の藤原のリアルをタイムリーに届けられるようになった。
結果として、このメールマガジンが、誰かの思考を揺らし、行動を変えるきっかけになっているとしたら、それは副産物に過ぎない。自分を律するために書き続けてきた言葉が、誰かの成長にも寄与している。
その事実が、今では、私が毎日数千文字のメールマガジンを書き続ける最大の原動力になっている。
当社の「従業員」の定義
当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています。
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。
一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で、
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。
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