プロフィール19 子育てと教育 〜 本質は、従業員満足度を高める組織づくりと同じである 〜

プロフィール
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子育てと教育〜 本質は、従業員満足度を高める組織づくりと同じである 〜

1997年(平成9年)、最初の事業が立ち上がった時に第一子が誕生し、その2年後に第二子である長男、そしてさらに2年後に第三子である次男が誕生した。事業の草創期は、生まれたばかりの3人の子供たちの子育てとともにあった。

経営者としても父親としても未熟極まりなかった当時の私を、今の自分が振り返ってみると、情けない失敗が無数にあったこと思い出すが、ただただ目の前の課題や問題から一切目をそらすことなく真正面から向き合い、都度ベストを尽くす姿勢だけは崩さずに貫いてきた。

子供という弱い立場の人間に対して、感情的に叱ってしまったことも、威圧するような態度をとってしまったことも一度や二度ではない。しかしそんな自分を正当化することなく、自らの言動を改善し続けた。

親がやりたいことややらせたいことを強要するのではなく、子供たちが何を感じているかや、興味を示すことを邪魔しないように心がけた。そして父親の生き方を見せ続けることに注力した。

「仕事を愛し楽しむ姿勢」
「お客様に感謝し、お客様への価値提供へ本気で取り組む姿勢」
そういったことを見せながら、子供たちの言動一つ一つに口を出したり具体的な助言をするのではなく、あえて抽象度の高い本質だけを語るように心がけた。

父親はどういう価値観でビジネスをしているのか、どういう価値観で生きているのかを伝える。資本主義経済の中で稼ぐお金は、お客様や社会への貢献に比例するということを実例とともに説明する。学業成績は社会での成功や人生での幸せと必ずしも一致しないため、嫌々やるくらいならバッサリ捨てても問題ないことを、学歴のない両親の生き様と共に伝える。

親から子へのこうしたメッセージは、幼少期の子供たちにとっては自分自身の価値観形成に少なくない影響があっただろう。

「自分が直感的にやりたいと思ったことをやれ」
「やりたくないことを頑張ってもそれで成果を出せるほど世の中は甘くない」
「好きなことややりたいことに全精力を注ぎ込むからこそ、成果が出るのだ」
「勉強が好きなら勉強をすればいいが、嫌なら止めていい」
「自分の責任で自分が決めたことをやれ。責任は自分で取れ」

日々の家族生活の中から、自分で考えて自分で道を切り拓きながら生きることの重要性を、物心がつく前から教え込んだ。

この先3人の子供たちが、どのようにして社会に貢献し、目の前のお客様や仲間たちにどのように価値を提供していくのかはわからない。私の子育てと教育が正しかったかどうかはわからない。

現在長女(第一子)は、東京都内の一般企業に勤務する会社員。なぜか日本語と韓国語のバイリンガル(両親は韓国に縁もゆかりもないのに)。本当にそれで大丈夫かというくらい、好きなことしかやらない自由奔放な女性に育った。現時点では社会に大きな価値提供をしている様子はないが、日本の美しい自然と美しい所作を好む傾向がある。理想の男性は、父親ではなく末弟だという。

長男(第二子)は、慶應義塾大学総合政策学部の4年。日本語と英語のバイリンガルで、スペイン語も日常会話なら問題ないという。同級生には起業家やトップユーチューバーもいて、もはや父親の仕事観には興味も示さなくなった。自分の人脈の中の人間のほうがはるかに面白いのだろう。どこで出会うのかはわからないが、さまざまな経営者に食事や旅行に連れて行ってもらうようで、いつ家に帰ってきているのかは不明という生態。まもなく大学卒業を控えているが、就活をすることもなく、どうやら起業準備を進めている模様。

そんな姉と兄を見ながら育った次男(第三子)は、東京大学理科二類に進学し現在3年。高校受験に失敗して、スベリ止めの学校に入学してからは、なぜか狂ったように勉強をし始めた。その中でも数学の勉強をしている時は楽しくて仕方がない様子で、ニヤニヤしながらエンドレスで机に向かうという異端児。高校時代に交際していた彼女とは、受験に向けて集中するために話し合いの結果、別れることになったというのだから筋金入りである。大学進学後も、自分の知的好奇心を満たすためだけに、まるでマスターベーションを覚えたばかりの猿のように、脇目も振らずに勉強に勤しむという日々。最近は好きなことを好きなだけ勉強するには多額お金が必要だということに、ようやく気づいた様子。

マイホームパパでもなければ、イクメンでもない私藤原清道。もちろん教育パパでもない。そんな藤原が、どのように子育てと教育に取り組んできたのかということに、近年クライアント企業の経営者の方々から問い合わせが増えてきた。学歴のない両親が、英才教育を施すこと無く、世間的には一流と言われるような大学に子供を合格させたというのが、不思議で仕方がないという。

「合格させた」のではなく、彼らが自分の力で「合格した」のである。実は私が自分の子供たちに行ってきたことは、自社内で従業員満足度を高めるために行ってきたことと、本質的には同じことだ。

「親に学歴が無くても子供を一流大学に入れるための教育法や、親としてあるべき姿を教えるセミナーを、商品メニューに加えてほしい」という、想定外の要望もあるが、現時点ではそうした商品やサービスの開発時期は予定していない。

子育ても、従業員満足度を向上させる組織づくりも、抽象度を上げて思考すればやるべき事の本質は変わらない。現在は個別コンサルティングの中だけで、独自の教育論をお客様に伝えている。

当社の「従業員」の定義

当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。

一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。

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