ただただ、自らの過去の経営の過ちを正したかった。一人ひとりの従業員はもとより、事業に関わる人たちをしあわせにできないような仕事に存在価値も意義もない。
最初に立ち上げた事業は、1997年の創業以来売上も利益も毎年向上させてきた。従業員の給与も上げ続け、残業を大幅に減らしながら休日も増やし、有給休暇は全員がすべて消化できるように仕組みの改革も行った。
しかし、そのような外面をいくら整えても、本質的には何も変わらなかった。それを、経営陣を除く全従業員が去っていくという現実に直面して、ようやく気がついたのだ。
働く人のしあわせ、会社の関係者のしあわせ。
なぜ事業を行っているのか。なぜ働いているのか。こうした問いを自分に向かって投げ続け、そして考え続けたことで、従業員満足度を追求することに、自らの事業経営の意義を見出し始めたのである。
と言っても、最初から「従業員満足度研究所」という組織をつくって、他社の従業員満足度を向上に寄与することを、自らの事業のひとつにすることは全く考えていなかった。
ただただ自ら経営する、1997年創業の崩壊しかかった組織の従業員満足度を高めたい一心で、日々の仕事に取り組んでいた。そうした取り組みの詳細を、ことさらに外部に発信したわけではないのだが、私の日々の思考やアウトプットを受信してくれているメルマガ読者の方々から、「うちの組織の従業員満足度向上を支援してほしい」という依頼が、一件、また一件と舞い込むようになった。
2012年(平成24年)頃のことである。
また、この頃に、人材採用コンサルタントの稲田行徳氏との協業もスタートさせる。
当時の私は、従業員満足度を高めていきながら強い組織を作っていくことには絶対的な自信を持つことができるようになったものの、人材採用については絶対的な正解を見出すことができずに悩んでいた。
一方で、人間と組織の本質に根ざした採用手法で、数々の企業の採用を根本から改善させる実績を積み重ね、ベストセラー書籍「採用の教科書(R)シリーズ」を出版しながらも、優秀な人材の入社後の定着率や活躍状態に関しては答えを模索していた稲田行徳氏との出会いと協業は、今思えば必然だったのかも知れない。
大企業でも中小企業でも、従業員数人の零細企業でも、すべての企業では「採用と組織づくり」を無視することはできない。素晴らしい商品を開発して、洗練されたビジネスモデルを作り上げても、採用に失敗すれば機能せず、組織内の空気が悪くて全従業員が活躍できていなければ、どんな美しいビジョンも実現しない。
「自らの仕事に真摯に向き合えば、業績を向上させていくことはさほど難しいことではない。」「しかし、採用や教育を通じて、価値観で繋がる仲間を増やしていくことは本当に難しい。」
そのように感じる経営者が日本には非常に多いことに気がついた私は、ここを改善させなければ本当に良い社会を作ることができないと感じ、2013年(平成25年)9月に「従業員満足度研究所」を東京都港区に設立した。(法人化は、2022年11月1日)
当社の「従業員」の定義
当社では「従業員」を“理念やクレドに従う全スタッフ”と定義しています。
つまり一般的な社員だけでなく、アルバイトさん、パートさん、
そして経営トップや役員も従業員の一人であり、そこに優劣はありません。
一般的には、経営者に「従う」という意味で従業員という言葉が使われていますが、
当社では理念やクレドに「従う」という意味で、
経営トップも含めて関係者全員を従業員と定義しているのです。
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